Salesforce運用基本ガイド

開発

2021.10.13

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はじめに

本書の目的

本書は、Salesforce製品 (Sales Cloud, Service Cloud 等のSaaS製品)の特性を活かしたシステム運用を行うために、検討が必要な事項、また注意すべき事項などを提示することを目的とする。

本書利用にあたっての注意⚠️

本ドキュメントは弊社が既にご提供している各種情報を集約したものとなっています。それぞれの情報の詳細および最新情報は、本ドキュメントの各所に記載のLink先のコンテンツをご参照下さい

対象読者とフェーズ

本書は、Salesforce について基礎的な知識を有している(*)Salesforce製品の運用に関わるメンバーを対象としている。

(*) トレイル「システム管理者初級」相当の知識を有していることを想定

本書の利用フェーズとしては、システム運用フェーズを主とするが、計画/要件定義フェーズ及び設計/開発フェーズにおいても参照する。

Salesforce 開発・運用におけるポリシー/プロセス/実行手段等の整理

ポリシー、プロセス、実行手段の洗い出し例

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主な検討項目と想定される課題

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【参考】Sandboxの種類と比較

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【参考】テストフェーズと利用するSandboxの関係

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【参考】利用例: 一般的な開発〜リリースまでの流れ

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参考情報

Salesforce運用のベストプラクティス

運用における検討ポイント

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運用体制

論点

  • 何を目的とした体制を検討するか
  • どのような役割が必要か
  • 誰をアサインするか
  • どのような会議体をどの頻度で開催するか

役割とメンバーアサイン

導入/定着化を成功させるには、全社公認のプロジェクト体制構築が不可欠となります

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運用における役割とタスクの例

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情報共有/状況確認等の会議体の例

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プロセス・ルール

論点

  • Salesforceへの問い合わせ・障害対応プロセスが明確化しているか
  • 業務プロセスや運用ルールが明確化しているか、マニュアルの作成および修正担当が決まっているか
  • 業務や運用変更時の社内コミュニケーションはどのように行うか

Salesforceへの問い合わせ・障害対応プロセスの例

障害発生時など不足の辞退が発生した際に、円滑に解決を図るためにも事前に障害対応プロセスを定義しておくことが望ましい。

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業務および運用ルールのマニュアルの例

運用フェーズに入ったあとでも、システムの改善などが定期的に行われる場合があります。その際、業務及びシステムの改変に応じてマニュアルも修正する必要が出てきます。このため、マニュアル修正のルールや担当などを事前に決めておく必要があります。

業務マニュアルのサンプル

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社内コミュニケーションの例

SalesforceのコミュニケーションツールであるChatterのグループ機能などを活用して、利用方法などに対する自己解決と質問の効率化を図る方法もあります。また、グループ内のメンバーへ情報一斉配置なども可能であるため、メンテナンスやシステムバージョンアップに関するお知らせなども簡単に行えます。

弊社Chatter Groupの利用例:経費精算グループ

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スキル・トレーニング

論点

  • だれがどのトレーニングを企画・実施するか(回数・頻度・対象・現場との調整等)
  • トレーニング受講管理の要否、必要であればどのように行うか

Trailhead で Salesforce を楽しく学ぶ

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myTrailheadの活用

myTrailheadにより、自社向けコンテンツを作成した学習が可能

Trail Maker

自社向けの学習コンテンツを作成して公開

Trail Mixer

オンライン/オフラインコンテンツを組み合わせて学習ジャーニーを共有

Trail Checker

学習の成果を評価して褒賞

Trail Tracker

チームの学習意欲を高め、進捗を確認

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Salesforceが提供する研修の利用

対象者別に、以下の2つスタイルをご用意しております。両方を組み合わせての対応も可能です。

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【参考】Salesforce開発・運用体制の役割と必要スキル

Salesforce開発・運用体制の役割と必要スキル


役割
責務
必要なスキル
推奨Salesforceトレーニング

プロジェクト
リーダー

・スポンサーと協力した、ビジョンの設定、ビジョン実現に必要な目標の設定
・社内のSalesforceの活用・最適化の推進
・全体のロードマップ・実装計画の策定
・全体のオペレーションモデル・プロセスの定義・確立・推進
・プロジェクト全体の予算及びQCD実績管理

・スポンサーとのリレーションシップマネジメント経験
・ビジネス変革に関わる複数チームのマネジメント経験
・Salesforce標準によって実現可能な業務・機能の知識

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

Salesforce 管理II
(ADX211)

Service Cloud 管理
(ADX261)

Einstein Analytics2:
ダッシュボード構築編
(ANC201)


ビジネス企画
・Salesforceで実現するビジネス施策の優先順位付け
・業務部門のビジネス課題・要求事項の収集・分析
・Salesforceを使ったTo-Beモデル・改善策の検討・提案・企画
・業務部門からのフィードバックの収集・分析
・担当業務の社内全体のロードマップ・実装計画の策定
・担当業務のオペレーションモデル・プロセスの定義・確立・推進

・チームマネジメント経験
・ビジネス分析、変革の経験
・経営・事業戦略の知識
・Salesforce標準とカスタマイズによって実現可能な業務・機能の知識
・ビジネス分析・経営全般の知識(経営・戦略・プロセスモデリング・論理思考・IT要求分析等)



アーキテクト
Salesforceに関するテクノロジー、アプリケーション、データに関するガイダンスの提供

<テクニカルアーキテクチャ>
技術標準・コーディング規約等の提供・管理
技術的問題の管理

<アプリケーションアーキテクチャ>
業務要件に対するSalesforce機能の活用方法の提供
機能設計、技術設計等のレビュー

システム全般の概要設計レベルの知識

大規模/基幹システムの設計・開発・運用経験(アプリ/基盤)

Salesforce標準とカスタマイズによって実現可能な業務・機能の知識

Force.com開発 (APEX/Visual Force/Lightning) の知識

Salesforce運用の知識

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

Salesforce 管理II
(ADX211)

Salesforce Platform アプリケーションビルダー基礎 [前後編]
(DEX403-1,DEX403-1)

Salesforce Platform 開発者: Apex と Visualforce [前後編]
(DEX450-1,DEX450-2)

Salesforce Platform クイックスタディ - 基本機能と開発の勘所
(ITR101)


変更・リリース担当
業務部門からの変更依頼による変更の発生からクローズまでのプロセス管理(プロセスの適切さ・適正さの評価)

変更リスクの低減、インパクトの深刻さの最小化に向けた各種調整の実施

変更のアセスメント、承認全体のコーディネート

開発資源のUAT環境、本番環境等へのデプロイの実行

・ITIL等のサービスデリバリー/サポートデリバリー全般の知識
・運用サービス(特に構成・資源管理)の経験・知識
・Salesforce管理の知識・経験



デリバリマネージャ
・承認されたプロジェクト、ビジネス要求に対する開発作業に責任を負う(※保守開発(既存アプリケーションへの追加・改修)を含む)
・開発・保守のKPIの設定・モニタリング
・プロジェクトマネージャ・デリバリー担当リソースの管理・メンバーの技術能力の向上
・決められたスコープ・期間内でのプロジェクトの完遂
・プロジェクトの立上げ、計画、推進、進捗・課題等の管理、ステークホルダーとの調整、コミュニケーションの実行
・大規模プロジェクトでの外部SIerの調達・品質等の管理・各種調整等の実行

・基幹/情報系システムの設計・開発経験(業務アプリ/基盤)
・Salesforce標準とカスタマイズによって実現可能な業務・機能の知識
・PMBOK/PMP等のPM知識・経験
・Force.com開発の知識

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

Salesforce 管理II
(ADX211)

Salesforce Platform アプリケーションビルダー基礎 [前後編]
(DEX403-1,DEX403-1)

Salesforce Platform 開発者: Apex と Visualforce [前後編]
(DEX450-1,DEX450-2)



デリバリ担当者

・業務部門の業務要件定義のサポート
・業務要件に応じたシステム要件定義、機能設計
・設計に応じたSalesforceアプリケーションの設定、カスタムアプリケーション(APEX/Visualforce/Lightningコンポーネント等)の開発、関連システムの改修
・設定・開発アプリケーションのテスト(単体・結合・システムテスト・UAT支援、回帰テスト支援)

・基幹/情報系システムの設計・開発経験(業務アプリ/基盤)
・Salesforce標準とカスタマイズによって実現可能な業務・機能の知識
・Force.com開発の知識

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

Salesforce 管理II
(ADX211)

Salesforce Platform アプリケーションビルダー基礎 [前後編]
(DEX403-1,DEX403-1)

Salesforce Platform 開発者: Apex と Visualforce [前後編]
(DEX450-1,DEX450-2)



業務定着

・活用度・定着率に応じたエンドユーザ向けトレーニングの企画、実行
・活用度・定着率のKPI設定・モニタリング

・ファシリテーション
・ユーザトレーニング、定着化(機能・製品の導入)の経験
・Salesforceを活用した業務のベストプラクティスの知識

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

Salesforce 管理II
(ADX211)


運用リーダー
・システムの安定運用の維持
・運用KPIの設定・モニタリング
・運用リソースの管理・メンバーの技術能力の向上
・特に大きな機能追加やシステム停止時の計画に基づいた各リソースの調整(一時的な調達等)

運用サービスの設計・構築・実行の経験・知識

システム全般の相関関係の知識

Salesforce管理の知識・経験

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

Salesforce 管理II
(ADX211)

Salesforce Platform クイックスタディ - 基本機能と開発の勘所 (ITR101)


サービス運用
・運用定型作業の実施(バックアップ、モニタリング)
・運用手順の管理
・インシデントの2次切り分け・対応・エスカレーション
・依頼作業の実施(データ管理等)

・運用サービス全般の経験・知識
・システム全般の相関関係の知識
・Salesforce管理の知識・経験



サービスデスク
・ユーザからの問合せ受付・問合せ管理
・ユーザ問合せの一次回答、適切なチーム・担当者へのディスパッチ
・インシデント管理
・インシデントに対するナレッジ・QAの管理

・運用サービス(にサービスデスク・ヘルプデスク)の経験・知識
・Salesforceの機能概要の知識



管理事務担当
・契約業務、支払い業務
・ミーティングの準備、会議室予約・招集、ファシリティ準備
・各種プロジェクト利用ツールの利用者登録や管理

・社内業務、規約の理解
・社内ツールの理解
・Salesforceの機能概要の知識

Salesforce 管理I (前後編)
(ADX201-1, ADX201-2)

複数アプリを1組織で管理する上での考慮点

複数アプリを1組織で管理する上での考慮点(例)

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保守運用体制例

Salesforce 運用保守体制事例とメリット/デメリット

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CoE組織イメージ

弊社の代表的なお客様におけるCoEの組織イメージ

どの様なチームやメンバーが必要かについては、Salesforce利用の成熟度や各プロジェクトのフェーズで異なります。

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CoE組織の具体的な活動事例(他社での活動計画サンプル)

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Salesforce運用保守体制構築に利用可能な各種リソース

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メンテナンスとメジャーリリース

メンテナンスの種類と頻度

最新情報・詳細については下記サイトをご確認ください。

▼優先システムメンテナンスのスケジュール

▼Salesforce のメンテナンス中、組織にどのような影響がありますか?

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【補足事項】

  • 上記は現状の弊社サービス運用作業の基本ルールをご説明したものであり、将来変更される可能性があります。
  • メンテナンスがスケジュールされると、Trust 状況サイトのメンテナンスカレンダーにメンテナンス実施時間の日時が公開されます。インスタンス全体に影響するメンテナンスの場合、メンテナンススケジュールがTrustに掲載されたときと、メンテナンスの10日前にTrust NotificationがTrust Notification登録者にメールで送信されます。スケジュールされたメンテナンスの約 1 週間前には、Salesforceへのログイン時にアプリケーション内ポップアップウィンドウでメンテナンスの日時をお知らせします。
  • 計画メンテナンス枠はUS時間の第1,第3土曜日に計画されるため、月初日が日曜日の月には、第2,第4日曜がメンテナンス枠となります。

リリースマイルストーン

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※ 上記の内容はリリース毎に変更となる可能性があります。

※ 1年ほど先までのメジャーリリース予定日をTrustサイトにて公開しております。

※ Sandboxプレビューに備えて何をしたら良いかについては以下をご確認ください。

https://success.salesforce.com/_ui/core/chatter/groups/GroupProfilePage?g=0F9300000001sOH&fId=0D53A00002zDi3C

リリース毎のお知らせ:Spring'21 Sandbox プレビューのお知らせ
>

参考:Spring'21 Sandbox プレビューの日程と準備

スクリーンショット 2021-08-19 16.00.03.png

参考:

Spring’21 Sandbox プレビューのお知らせ

https://help.salesforce.com/articleView?id=000355928&type=1&mode=1

Salesforce for iOS and Android のベータ版およびアーリーアダプタープログラム

https://help.salesforce.com/articleView?id=000314912&type=1&mode=1

リリース更新への対応

Salesforceでは定期的に更新をリリースしています。リリース更新に関しては [設定]の[リリース更新]画面に掲載されますのでご確認下さい。一定期間は有効化/無効化を手動で切替え、影響を調査する事ができます。

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リリース更新(①)は、パフォーマンス、セキュリティ、ロジック、Salesforce 組織の使い勝手を向上させるものですが、既存のカスタマイズが正しく機能しなくなる可能性があります。期日(②)までに、詳細を表示(③)で更新についての詳細情報を確認し、使用開始(④)でステップバイステップガイドに従って変更の確認と対応を実施します。Sandbox組織上でテスト実行を有効化する事で、実際に更新を適用した上で組織への影響を評価し、更新によって影響を受けるカスタマイズを必要に応じて修正することができます。

適用スケジュールのリリース日になると、Salesforceは自動で更新を有効化しますが、それまでの間は、更新の有効化および無効化を手動で何度でも行うことができます。

参考:

リリース更新の管理

インスタンスリフレッシュ、組織移行、継続的サイト切り替えの概要

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製品及びサービスに関するお知らせメール

「製品およびサービスに関するお知らせ」(製品コミュニケーションメール)は、Salesforce の使用に影響を与える可能性のある機能やサービスの変更について注意を促し、情報を伝えるために、Salesforce 組織のシステム管理者にメールで送信されるお知らせです。

仕様変更・メンテナンス・製品の廃止等、お客様で必要な作業を含めて、ご利用を継続頂く上で 極めて重要な情報が、当メールにて配信されますので、必ず適切な方へ配信されるように設定頂き、メールが配信された際には内容をご確認頂くようにお願い致します。メール配信の設定変更やメール内容へのご質問は、弊社サポートへご連絡下さい。

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製品コミュニケーションメールの詳細は、下記をご参照下さい。

[製品およびサービスに関するお知らせ]

製品コミュニケーションメール通知設定の管理方法

製品コミュニケーションメールの通知設定は、ヘルプ&トレーニングサイトにて、お客様ご自身で行う事ができます。ご不明点があれば、ケースにてサポートへお問合せ下さい。

[ヘルプ & トレーニング] での通知設定の管理方法

  • 受信する通知の種別を管理するには、[ヘルプ & トレーニング] ポータルにログインして、[私の設定] の下の [通知設定] に移動してください。
  • コミュニケーションの種別ごとに、システム管理者はさまざまなコミュニケーションのモードに対応するボックスをオンまたはオフにすることができます (たとえば、電話、メールなど)。
    • 少なくとも 1 人の Salesforce 組織のシステム管理者が「製品およびサービスに関するお知らせ」を受信する必要があります。システム管理者がこれらの通知の受信の除外を選択する場合は、お客様の Salesforce 組織の別のシステム管理者がこれらの通知を受信し、企業を代表して必要な措置を講じることができるようにしてください。
    • これらの通知の受信を登録解除しないことを強くお勧めします。
  • 現時点では、管理者権限 (「ユーザの管理」と「すべてのデータの編集」) のない Salesforce ユーザは、「製品およびサービスに関するお知らせ」をオプトインできません

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2021.10.13

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