Spring’21時点でSalesforceが多要素認証の機能を提供可能な製品は、Sales Cloud、Service Cloud、Salesforce Field Service[*1]、Platform、Experience Cloud (旧Community Cloud)、Salesforce Essentials、Analytics Cloud、Marketing Cloud (Datoroma、Email Studio、Mobile Studio、Journey Builder、Audience Studio(旧DMP)、Pardot)[*1]、B2C Commerce Cloud、B2B Commerce Cloud、インダストリ製品( Financial Services Cloud、Health Cloud、Manufacturing Cloud、Consumer Goods Cloud、Government Cloud、Philanthropy Cloud、Education Cloud[*1]、Nonprofit Cloud[*1])、 Mulesoft Anypoint Platform[*1]、Quip(Starter、Enterprise、for Customer360)[*1]です。他のすべての Salesforce 製品でも積極的に多要素認証の機能の開発に取り組んでおり、他の製品で 利用可能になった時点でリリースノートにてお知らせする予定です。
多要素認証やセキュリティ強化の対象となった機能については、各製品のリリースノートやヘルプ記事などを通じてその機能概要の説明や設定方法をご案内しておりますが、特に注力している多要素認証の概要や設定になどに関する情報はウェブセミナーやTrailblazer Communityなどを通じて英語だけでなく日本語でのガイダンス資料やデモ動画を提供し、お客さまの理解や評価に役立つ情報発信に努めています。参考リソースをご参照いただきご活用いただければと思います。
他の製品で MFA が利用可能になったら、リリースノートにてお知らせします。
最新のセキュリティ管理と機能をお客さま環境に適用・展開する方法は、「製品機能の理解」「セキュリティ管理の現状把握」「適用タイムラインの決定」を行う事前準備、事前準備に基づいて「特権的ユーザ数の最小化」「パイロットユーザへの適用」「パイロットユーザからの学び」を行う試行段階、試行段階の教訓を踏まえた全社適用に向けた「役員コミュニケーション計画」「ユーザとのコミュニケーション計画」「変更管理計画」を策定するオーソドックスな段階的展開が実行における課題や計画の実現性を高めるうえで望ましいと方法と考えています。
この計画に基づいてユーザへの「適用推進キャンペーン」など通じた適用推奨、その適用進捗を確認するため履歴設定やレポートやビューなどの監視設定、設定した監視情報のダッシュボード等を通じた定期的な適用状況監視により計画の進捗確認と適用促進を繰り返す事も不可欠の要素と言えます。
これらの適用準備や展開監視を支援するツールとして「セキュリティ管理の現状把握」にはセキュリティ状態チェック機能、「監視設定」や「適用状況監視」には2FAダッシュボードなどがSales Cloud、Service Cloud、Platformなどで利用可能ですので、これらツールを利用することも忘れずに覚えておきましょう。
認証ユーザの認証情報取得への攻撃が昨今さらに強くなっている環境における、安全なアクセスを担保する手段として2022年2月よりSalesforceへのアクセス時にMFAを要件とする旨のご案内を2021年2月に配信させていただきました。
このアクセス要件は認証ユーザにおけるセキュリティを複数の認証要素を用いることで担保するソリューションおよび情報提供を前述のセキュリティパートナーシップにおけるSalesforceの責任として提供する位置付けで、その適用対象は「UI経由でログインするSalesforceのInternal Userを対象に(組織外の認証ユーザとなるExperience Cloudの外部ユーザやChatter Freeや外部Chatterユーザ、E-Commerceのユーザ、および認証が発生しないゲストユーザ、システム間連携のために利用される都度UIログインが発生しないAPIやIntegration用ユーザは対象外)、Salesforceへのアクセス時に知っている情報(ユーザIDとパスワード)以外の要素での追加認証(AuthenticatorやHardware Keyなど各個人が持っている情報など)を必須とする内容となっています。
この対象ユーザのUI経由のログインは単純にSalesforceのログイン画面(UI)にユーザ名とパスワードを入力する最もシンプルな形態の場合には、その入力後に持っている情報(AuthenticatorやHardware Keyなど)を利用して本人を認証する事を意図していますが、複数システムを利用されているお客様においては別システムにおけるIDとパスワード認証を経てその認証情報をTokenなどの形態でSalesforceに連携させることでログインを完結させるSSO(Single Sign-On)を利用されるお客様も少なからずいらっしゃいます。この外部での認証情報をもってSalesforceにアクセスされているお客様においても、その外部認証時における多要素認証を実施いただいた上でSalesforceにアクセスいただく(前述のセキュリティパートナーシップにおけるお客様の責任に該当する内容)事がセキュリティ担保の上で不可欠となりますが、その適用状況(外部認証における多要素認証の適用)に関しては弊社で判断可能な内容ではございませんので、弊社にてその準拠状況を監視ならびに制御するもの、できるものではなく、お客様のビジネスにおける安全性確保の観点において是非ご対応いただきたい内容と考えています。
(補足 : Reverse Proxyなど代理認証も広義でのSSOと定義される場合もありますが、SAMLやOpenID Connectなどによる外部認証をSSOを定義しており、代理認証はSalesforceへの通常のUI経由のログインとして扱われるため追加の認証要素が必要となります)
本ブログは定期的に更新されます。毎月一度は必ずご確認ください。
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したSalesforceへの安全なアクセスの基本知識については、Trailheadで学習することも可能です。検討の基礎知識の再確認の意味でも、こちらのモジュールを完了させておきましょう。
改定
[*1] Spring’21での対応状況を踏まえて更新
[*2] 2021年2月にご案内の”【重要】多要素認証への対応のお願い”の送信に基づく追記
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