(2023年2月) Salesforceの運用に関する重要なお知らせ
公開日: 2023.02.27
この記事で学べること
- Salesforce コア製品に関する重要な技術情報
- バージョンアップ情報やメンテナンス情報(バージョンアップ以外)、IP アドレスフィルタリングをしている場合に必要なIPアドレス範囲に関する情報、製品廃止情報、リリース更新などの重要情報
- セキュリティに関する重要なアップデート
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本記事は「Salesforceの運用に関するお知らせ」の2月号となります。
こちらの記事では、メンテナンス情報や技術情報、セキュリティ関連情報の構成で、特に重要な更新情報をピックアップしてご紹介いたします。必要なアクションをお客様にいち早く気づいていただくことを目的としていますので、毎月必ずご確認いただけますと幸いです。
2023年2月のトピックはこちらになります。
本記事では、前月との差分である赤字の部分と、特に重要な情報をピックアップしてご紹介します。
最初にSpring'23のリリースに関する情報です。
2023年 2月12日にバージョンアップがあり、Spring '23になりました。3月13日~16日にかけて、恒例の新機能ウェブセミナーを開催予定です。Spring ’23 新機能リリースからお申し込みいただけるようになっております。また、Release Moduleの翻訳されましたので、ウェブセミナーの参加が難しい方は、ぜひTrailheadをご活用ください。
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こちらは、今までのKnown Issueサイトが新しくなったことのの共有です。
Known Issueサイトでは、Salesforceの既知の問題を公開しております。カテゴリやステータスで絞り込みができて、問題の概要、再現手順、回避策等をご確認いただけます。ご自身の組織が影響を受けている問題があれば、[Report]をクリックすることで、問題をフォローすることができます。問題に更新があれば通知を受け取ることができますので、ぜひご利用ください。
続いて、少し気が早いですが、次期バージョンであるSummer '23のスケジュールです。
Summer '23のリリースは、Sandboxが5月7日、本番環境は6月11日にバージョンアップの予定です。
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次は、Spring '23リリースノートの更新情報です。先月までWinter '23の更新情報をお伝えしていましたが、今月からSpring '23のの更新情報になります。今回は、1月2日以降の更新内容の中から、管理者様に把握しておいていただきたい内容をピックアップしてます。
- 無効な選択リスト値の数の制限 (リリース更新)
- 元々、リリース更新の位置付けだった制限が通常のリリースに変更されました。今まで無効な選択リスト値を無制限に使用することができていました。これによりパフォーマンスに影響が出ることがありました。Spring '23より、組織の健全性とパフォーマンスを改善するために、無効な選択リスト値の数を制限することができるようになりました。このオプションを有効化すると、項目毎に無効な選択リスト値の最大は4000になります。
- Lightning Web コンポーネント (正式リリース) と Aura コンポーネント (ベータ) での Lightning Web セキュリティの使用
- Lightning Web Security (LWS) は、Lightning Lockerに代わる、Lightning Web コンポーネント(LWC)のための新しいクライアントサイドセキュリティアーキテクチャです。Salesforceでは、LWSの段階的なリリースを継続しており、Spring '23では、LWS for Auraのベータ版がリリースされました。今回のリリースノートの変更点は、LWS for LWC(GA)とLWS for Aura(ベータ)機能がWinter '23で既に有効であった場合に、Spring '23の本番組織でのLWSの適用方法が纏まった表が追加されました。詳細はリリースノートをご確認ください。
- コンテンツ盗聴保護を有効化 (リリース更新)
- 適用時期がSummer '23に延期されました。
- Visualforce ページとコンポーネントでの <script> および <style> コンテキストの式言語評価のエスケープ (リリース更新)
- リリース更新はキャンセルされました。
- メール検証を目的とするドメイン所有権の確認
- Spring '22から、Salesforceからメールを送信する際に、Fromのアドレスが既に検証済みでない場合、メール検証が必要になりました。Spring '23から、SSO経由でSalesforceにログインしているユーザは、管理者がDKIMの設定をしている場合にDKIMを使ってメール検証ができるようになった旨が1月23日に追記されました。また、その検証のタイミングに関する詳細が1月30日にリリースノートに追加されました。
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- メール-to-ケースの Lightning スレッドを使用した重複ケースの防止
- 古くからメール-to-ケースをご利用のお客様にとって重要な内容です。メール-to-ケースでは、従来スレッドIDを使用してメールとケースを紐づけていました。数年前からリリース更新で、その仕組みをヘッダーベースのスレッドに切り替える予定でしたが、お客様からのフィードバックを元に、Spring '23にLightningスレッドをリリースしました。現在も従来のスレッドIDを使用している場合は、ぜひLightningスレッドへの切り替えのご検討をお願いします。
- Encourage Users to Update to the Latest Mobile Publisher App Version
- こちらは拡張ドメイン関連の内容です。Aura のサイトテンプレートを使用しているExperience Cloud サイトの場合、Mobile Publisher for Experience Cloud アプリケーションをご利用のユーザーに対して、拡張ドメインをサポートするアプリケーションのバージョンに更新するよう促すメッセージを表示したり、更新を要求することができるようになったというリリースノートが追加されました。事前にアプリケーションを更新することで、拡張ドメインを有効化することによるサービス中断を回避することができます。ぜひこちらの新機能をご利用ください。
- Added a release note to announce a change to Salesforce mobile app access via iOS phone and Android web browsers.
- Spring '23から、Lightning Onlyのユーザが、iOS やAndroidのモバイル端末のブラウザでSalesforceにアクセスしようとすると、Salesforceモバイルアプリケーションの使用を促すページにリダイレクトされるようになりました。以前までは、Lightning Onlyのユーザであっても、Classicの画面が表示されていました。
- 拡張ドメインのリリース (リリース更新)
- Spring ’23での自動有効化から組織を除外(オプトアウト)する手順が明確になりました。
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続いて、MFAに関する内容です。
まずはMFA適用に関するロードマップです。
2月12日にSpring’23がリリースされましたが、そのタイミングで一部の組織についてMFAが自動有効化されました。
次の自動有効化のタイミングは6月に予定されているSummer'23のリリースです。
自動有効化の対象となる組織の管理者様には事前にメール通知が行われますので、Salesforceからのメールをご確認ください。
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MFAの自動有効化については、Spring'23のリリースノートでも情報を公開しているので、改めてご確認ください。
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続いて、インフラ強化に関するアップデートです。
許可すべき Salesforce の IP アドレスとドメインという公開ナレッジに更新がございます。
Salesforceで使用しているIPアドレス範囲について、APNICとRIPEで使用しているIPアドレス範囲に更新があります。現時点では英語版のナレッジのみでの更新ではございますが、詳細は公開ナレッジをご参照ください。
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続いてリリース更新に関するアップデートのご紹介です。
こちらでは、当初はSpring'23での適用が予定されていましたが、延期になったリリース更新を記載しています。
延期になったリリース更新についてはヘルプ等をご覧いただき、それぞれの自動有効化日までにお客様組織に適用できるようにご計画いただければと思います。
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続いて、次期バージョンであるSummer'23で適用されるリリース更新です。
Summer '23で適用予定のリリース更新の中から管理者様に特にご認識いただいきたい更新を4つピックアップしてご紹介します。
まずは「フローでのセッション ID へのアクセスを無効化」です。
こちらは、フローの中で$Api.Session_ID 変数が使用できなくなるという更新になりますので、該当するようなフローを作成している場合は変更をご検討ください。
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続いて、「Google Analytics 4」に関する更新です。
Experience CloudサイトでGoogle Analytics トラッキングIDを使用している場合に更新が必要となりますのでご確認ください。
次に、「Salesforce Platform API バージョン 21.0 ~ 30.0 の廃止」です。
こちらは特に重要な更新になりますので、のちほど詳細をご紹介します。
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最後にMFAに関するリリース更新です。
MFAのセクションでもご説明させて頂いた通り、Summer'23でMFAが自動有効化される組織の管理者様にはメールでの通知が行われますので、そちらもご確認ください。
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続いて、その他の更新です。
Spring'23では拡張ドメインの自動有効化が予定されていましたが、管理者様にて除外することができました。
Summer'23でも自動有効化が予定されておりますが、管理者様にて除外することはできません。
Summer'23リリース後に無効化することはできますが、一度有効化されますため、自動有効化による影響が発生する可能性もございます。そのためSummer'23までに拡張ドメイン適用のご準備を進めていただければと思います。
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続いて、機能の廃止です。
メンテナンス計画の[頻度] 項目と [頻度種別] 項目の廃止が進められており、2024年2月の廃止が予定されておりますのでご確認ください。
また、2023年6月以降、Salesforce モバイル アプリケーションのバージョンが228以下の場合、Salesforceにログインすることができなくなりますのでモバイルアプリケーションのバージョンの更新をお願い致します。
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「Salesforce Platform APIバージョン 21.0~30.0 の廃止について」です。こちらは、影響度の大きい更新の一つですので、毎月ご紹介しています。来年2023年6月をもちまして、APIバージョン21.0~30.0 は利用不可になる予定です。本件に関して、2月15日に製品コミュニケーションメールが送信されており、また機能廃止に関するダイジェストもメールで送信されていますので、そちらも併せてご確認いただき、早めのご対応をご検討ください。
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最後に、コミュニティライセンスユーザにおけるSalesforce モバイルアプリケーションでのアクセスの廃止です。
Summer'23のリリースを以って、コミュニティライセンスのユーザはSalesforce モバイルアプリケーションを使用してSalesforceにアクセスすることができなくなります。そのため、該当するような方法でのアクセスを行っているユーザ様につきましては、ブラウザの利用やMoblile Publisherのご利用をご検討いただけますよう、お願いします。
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2月度分の更新情報は以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
公開日: 2023.02.27
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