プロンプト作成時のベストプラクティス

公開日 : 2026.06.12

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この記事で学べること

  • プロンプトとは何かを知ることができる
  • プロンプトビルダーとは何か、それを利用するための権限を知ることができる
  • プロンプトテンプレートの種別を知ることができる
  • プロンプトの書き方のポイントを知ることができる

プロンプトとは

プロンプトは AI に対する「指示」です。生成される回答が意図した内容になるかどうかは指示にかかっていると言っても過言ではありません

(指示は、まさに生成 AI を利用する際の「根幹」です!)

プロンプトをゼロから書き始めることもできますが、Salesforce では、利用用途に合わせて様々なテンプレートをご用意しています。以下は、その一部を抜粋したものです。

標準プロンプトテンプレートは、[別名で保存] もしくは [新規バージョンとして保存] をすることができるので、安心してカスタマイズすることができます。

プロンプトビルダーとは

プロンプトビルダーは、プロンプトテンプレートを作成したり編集したりする時に使うツールです。プロンプトビルダーを利用するためには、[プロンプトテンプレートマネージャー権限] 必要なので、忘れずにご自身に割り当てておきましょう。

※ プロンプトテンプレートを利用するユーザーに対しては、[プロンプトテンプレートユーザー] 権限が必要です

関連リソース:

プロンプトテンプレートの種別

それでは早速プロンプトを作成してみましょう。

まずは、作成するプロンプトテンプレートの種別を選択します。用途に合わせて、適切な種別を選択しましょう。

例えば、「プロンプトテンプレート種別(一部抜粋)」の図にあるように、メールのドラフトを作成するときは、[セールスメール] や [サービスメール] を選択します。

AI で作成したサマリーを項目に設定するときは[項目生成]。フローや Apex、AI エージェントからプロンプトを呼び出す場合は [Flex] を選択します。

※用途と異なる種別を選択してしまうと、その後の設定で対象のテンプレートが表示されない等が発生することがあります。なお、種別はプロンプトテンプレート作成後に変更することはできません。再作成は可能なので、ご安心ください。

関連リソース:

プロンプトを作成する時の心構え

ここで、これからプロンプトを作成するみなさまへの大切なメッセージです。

プロンプトは一度作成して終わりではありません。

より良い結果を生成できるように、トライ&エラーが必要です。

プロンプトの書き方

それでは早速、プロンプトを作成する際のポイントを見ていきましょう!

それぞれの概要は以下の通りです。

トピック

概要

構造化

区切り記号(### や """ など)を利用する

役割(ペルソナ)

AI にどんな役割を果たしてほしいか(優秀な営業マンなど)

目的

どんな目的 / ゴールを達成したいのか

指示

AI に依頼したいこと(議事録作成、概要作成など)

具体例

意図した回答が生成されない場合に追加する

データ

AI が回答をする際に参考となる情報や具体的な質問など

シンプル

Simple is the best !! 回りくどい言い方は極力避ける

Not 専門用語

AI は社内の専門用語を正しく理解できない可能性あり

制限事項

禁止事項を記載する(「ID を表示しない」など)

出力形式

マークダウン形式、HTML 形式など

LLM

回答内容、消費クレジット、パフォーマンスに大きく影響する

必ずしもすべての要素が必要なわけではなく、生成 AI に依頼する内容によって最適なフォーマットを検証してください。(トライ&エラーです!)

AI から期待通りの回答を引き出すためには、「わかりやすく、迷いのない指示」を出すことが大切です。それでは、具体的な例とともに見ていきましょう!

指示を構造化する

AI が「どこが指示で、どこがデータなのか」迷わないように、区切り記号(### や """ など)を使って段落分けしましょう。迷ってしまうと意図しない回答が生成されるだけでなく、回答が表示されるまでのパフォーマンスに影響が出ることもあります。

アンチパターンの例

改善例

英語の記事の要約をお願いしたいです。

ビジネスパーソン向けに、日本語で 3 つの箇条書きでまとめてください。

その際、必ず今後の市場トレンドがどうなるかの視点を含めるようにしてください。要約してほしい記事は以下になります。

—--

[記事を挿入]

—--

以上の内容をもとに、トーン&マナーはプロフェッショナルでありながら親しみやすい感じでお願いします。

### 指示

提供された英語のニュース記事を、日本のビジネスパーソン向けに分かりやすく要約してください。

### 制限事項

  • 出力形式: 必ず 3 つの箇条書きで出力してください。
  • 必須要素: 今後の市場トレンドがどうなるかの視点を必ず含めてください。
  • トーン&マナー:専門用語は避け、平易な日本語で、プロフェッショナルかつ親しみやすいトーンにしてください。

### 入力テキスト

[英語の記事を挿入]

Tips:

  • 想定した回答が生成されない(表現や内容が安定しないなど)の場合、「必ず」「絶対」等の強めの表現を追加してテストをしてみてください。AI はそれらの表現を遵守しようとする傾向があります。(ただし、乱用注意です)
  • 罫線(—--)は、AI が区切り文字として正しく認識しないことがあります。

指示に背景情報(コンテキスト)を含める

AI に対して、「誰が」「誰に向けて」(= 役割 / ペルソナ)、「何のために」(=目的)「どういう情報を出力するのか」というコンテキスト(背景情報)を与えると、回答の質がグッと上がります

みなさんが業務マニュアルなどを読んでいる時に、「これは誰を対象にした内容だろう?」と疑問に思うことはありませんか?マニュアルを作成している人にとっての常識は、参照するユーザーにとっては非常識かもしれません。

不明点がある場合、人は質問しますが、AI の場合ハルシネーションにつながることもあるので、背景情報はきちんと言語化するようにしましょう。

アンチパターンの例

改善例

マーケティング戦略のアイデアをください

当社は環境に優しい製品をオンラインで販売しています。 環境意識の高い消費者にアピールするためのマーケティング戦略を提案してください。

指示は「シンプル」かつ「わかりやすく」

できるだけシンプルかつ直接的、そして具体的に記述することを心がけましょう。人とのコミュニケーションと同様で、プロンプトを作成する際も抽象的で曖昧であったり、誤解を与えやすい表現は避けましょう。

誰が読んでも同じ理解になるような指示を目指します)

アンチパターンの例

改善例

最近オープンしたカフェの紹介文をインスタ用にいい感じに作って

### 目的:

新しくオープンしたカフェの Instagram 投稿文のドラフトの作成

### カフェの情報

- 店名: アストロカフェ

- 特徴: 白を基調とした静かな空間、読書や作業に最適

### 出力ルール

- トーン:

落ち着いた、丁寧な言葉遣い

- 構成:

【キャッチコピー】+【お店の紹介(3 文以内)】+【ハッシュタグ 5 個】

専門用語は避ける

AI は専門用語を正しく理解できない可能性があります。なるべく業界特有の専門用語を避け、誰でも理解できる自然な言葉を使い、できるだけ具体的に書くことをお勧めします。

アンチパターンの例

改善例

以下の[社内テキスト]を読み、ペインポイントを抽出してください。

特にリファクタリングが必要なボトルネックを特定し、アジリティを高めるためのアセットの再配置について、コミットメントが得られるような提案書の構成案を作成してください。

[社内テキスト]

(※ここには、営業部門の「テレアポのリストが古くて効率が悪い」「商談の引き継ぎがうまくいっていない」という業務フローの不満が書かれている)

以下の[社内テキスト]を読み、営業活動における具体的な問題点(課題)を抽出してください。

特に「どの業務フローで時間がかかっているか」を特定し、業務のスピードを上げるために「どの社内データやツール」をどう再配置すべきか、上層部の承認を得やすい提案書の構成案を作成してください。

[社内テキスト]

(※ここには、営業部門の「テレアポのリストが古くて効率が悪い」「商談の引き継ぎがうまくいっていない」という業務フローの不満が書かれている)

「アジリティ」「コミットメント」などの言葉は抽象度が高く、具体的に何を指しているのか(プロンプトを書いた本人しか)分かりません。指示が不足していたり、文脈が十分でない場合、AI は一般的によくある解釈をして、もっともらしい嘘(ハルシネーション)をつくことがあるので、注意が必要です。

具体例(サンプル)を入れる

分かりやすい指示を書いたつもりでも、AI から期待した生成結果を得られない場合があります。そんな時は、「こんな風に回答して欲しい」という理想の回答例をプロンプト内に追加すると、AI は期待される形を理解しやすくなり、精度が上がる場合があります。

「制限事項」を記載する

ハルシネーション(嘘の出力)を防ぎたい場合は、「データや根拠のない内容に言及しないこと」といった制限事項を入れると効果的です。

Tips:

制限事項が守られない場合は、既出の「絶対」を追加して試してみましょう。

もしくは、「〜しない」と否定形で書くのではなく、「〜する」「〜を避ける責任がある」と肯定形な書き方に変更することで、(内容は変えていませんが)AI の動作が変わることがあります。

「しないこと」の例

「すること」の例

あなたには顧客の好みに合う最適な映画を推薦する責任があります。

ただし、ユーザーの好みを尋ねないでください

あなたには顧客の好みに合う最適な映画を推薦する責任があります。

ただし、ユーザーの好みを尋ねることを避ける必要があります

また、生成 AI の回答には「承知しました」「作成しました」のような不要な文言が含まれる場合があります。そんな時は、「顧客に送信するメッセージのみを生成します。「承知しました」などの出力は不要です」などの指示を追加してみましょう。

回答の言語指定がある場合も「必ず日本語で回答する」と言った文言を追加してテストをしてみてください。

出力形式を指定する

AI がどんな形式で応答を生成すればいいのかが分かるように、明確に指定することも重要です。出力形式を指定しないと、予測不可能な回答になることがあります。また、文字数を指定することで、回答の量を制御することができます

アンチパターンの例

改善例

新製品の発売計画を教えてください

新製品の発売計画について、以下の構成に従ってマークダウン形式(見出しや箇条書き)で出力してください。

【出力構成】

  • 製品概要(100文字程度)
  • 発売スケジュール(タイムライン形式)
  • 主要なターゲット層とマーケティング施策(3つの箇条書き)

アンチパターンの例の場合、出力形式を指定していないため、どんな回答が出てくるのかはAI 次第(お楽しみ)ということになります。

データの挿入

プロンプトは直接入力するだけでなく、Salesforce に保存されているデータを挿入することができます。メールテンプレートの差し込み項目のようなイメージになりますが、異なる点は、プロンプトテンプレートの場合、項目だけでなく、フローApex の実行結果(動的な値)を挿入することも可能です!

これにより、LLM による一般的な回答ではなく、自社ならではの回答が生成されます。

また、社内の正確な情報を元に回答を生成できるため、ハルシネーションの防止になります。

差し込み項目なし

差し込み項目を利用

あなたはカスタマーサービス担当者です。

氏名:山田 二郎

所属:オハナ株式会社 サポート部門

あなたの任務は、サービス対応後に顧客へ感謝の意を伝えるメールを作成することです。その目的は、心からの感謝を伝え、組織のブランドアイデンティティを反映させ、お客様に良い印象を残すことです。

# お客様情報:

- 顧客名:田中 太郎

- ケース件名:ログインできない

- ケース内容:今朝突然ログインできなくなりました

あなたはカスタマーサービス担当者です。

氏名:{!$Input:Sender.FirstName}

所属:{!$Input:Sender.CompanyName}

あなたの任務は、サービス対応後に顧客へ感謝の意を伝えるメールを作成することです。その目的は、心からの感謝を伝え、組織のブランドアイデンティティを反映させ、お客様に良い印象を残すことです。

# お客様情報:

- 顧客名:{!$Input:Case.Contact.Name}

- ケース件名:{!$Input:Case.Subject}

- ケース内容:{!$Input:Case.Description}

関連リソース:

プロンプトの作成時の考慮事項

複数のタスクを含むプロンプト

1 つのプロンプトで複数のタスクを実行しようとすると、指示が複雑で、不完全な回答やまとまりのない回答が返される可能性があります。その場合、段階的に考えさせる指示を追加すると、論理的で正しい答えを導きやすくなります。

アンチパターンの例

改善例

この記事を要約して、その内容が当社の販売戦略にどのように関係しているのか教えてください。

まず、この記事を要約してください。

次に、その内容が当社の販売戦略にどのように関連しているかを説明してください。

上記を試しても意図した回答にならない場合は、プロンプトテンプレートの分割を検討しましょう。シンプルなサブタスクに分解し、段階的に実行をするようにすることで、1 つのプロンプトテンプレートが複雑になりすぎることを避けます。

LLM の選択

同じ指示でも LLM の種類やバージョンを変更することで、AI の回答は大きく変わることがあります。チャット対応のようなスピード重視なシーンで利用するのか、Deep Learning のように深く考えた上での回答が欲しいのかによって最適な LLM は変わります。

プロンプトテンプレートの LLM は簡単に変更することができますので、ぜひテストをしてその違いを体感してみてください。

その他、LLM に関して注意が必要な観点

クレジット消費

  • プロンプトは LLM へ送信されます。LLM では受け取った情報をトークン(という小さな言葉の塊)に分割して処理します。処理した結果は回答として戻されます。送信および生成結果に含まれるトークン量に応じてクレジットの消費量が変わります
  • 使用する LLM によって、クレジットの消費レートが異なります

パフォーマンス

  • LLM への送信量が増えると(クレジット消費量が増えるだけでなく)パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

関連リソース:

いかがでしたでしょうか。

本記事では、プロンプトの基本から具体的な書き方のポイント、そしてトライ&エラーの重要性について解説しました。AI の真価を引き出すためにも、ぜひ本記事の内容を参考に、プロンプト作成に挑戦してみてください。

学習ツール

まとめ

  • シンプルなプロンプトから始めて生成結果を確認し、結果を向上させるためにトライ&エラーを続けましょう
  • Salesforce 内のデータをプロンプトテンプレートに挿入することで、ハルシネーションを防ぎつつ、最新の情報に基づく関連性の高い回答を生成できるようにしましょう
  • 指示を修正しても思うような回答が得られない時は、LLM の変更も試してみましょう

公開日 : 2026.06.12

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