(2024年9月) Salesforceの運用に関する重要なお知らせ
公開日: 2024.09.24
この記事で学べること
- Salesforce コア製品に関する重要な技術情報
- バージョンアップ情報やメンテナンス情報(バージョンアップ以外)、IP アドレスフィルタリングをしている場合に必要なIPアドレス範囲に関する情報、製品廃止情報、リリース更新などの重要情報
- セキュリティに関する重要なアップデート
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本記事は「 Salesforce の運用に関するお知らせ」の 9 月号となります。
こちらの記事では、メンテナンス情報や技術情報、セキュリティ関連情報について、特に重要な更新情報をピックアップしてご紹介いたします。必要なアクションをお客様にいち早く気づいていただくことを目的としていますので、毎月必ずご確認いただけますと幸いです。
2024 年 9 月のトピックはこちらです。
本記事では、先月との差分である赤字の部分についてと、特に重要な情報をピックアップしてご紹介します。
最初は製品イノベーションに関する情報です。
Winter' 25のリリースに関する情報です。
日本のお客様向けのインスタンスについては、日本時間で 10 月 13 日に本番組織へ Winter ’25 がリリースされます。
またその準備としてSandboxプレビューが 9 月 1 日から開始されています。
その他、Trailhead モジュール、Release Overview Deck なども公開されておりますので関連リンクご確認ください。
関連リンク
まずは、Summer ’24 のリリースノート更新情報です。
今月は 8 月 19 日以降に発生した更新のなかから、現行動作に影響を与える可能性がある内容や、注目の機能を抜粋してご紹介します。
No.62 Deploy Data Cloud Changes from a Sandbox to Production (Beta)
Data Cloud と Sandbox に関する内容です。
本内容はベータ版となりますが、Sandbox で変更した Data Cloud コンポーネントをデータ キットに追加し、そのデータ キットを変更セットに追加することで、Sandbox から Data Cloud の変更をデプロイできるようになりました。
No.63 Reuse Prompt Flows to Boost Efficiency
Salesforce フロー に関する内容です。
テンプレートトリガープロンプトフローを1つ作成し、プロンプトテンプレート種別に関係なく、さまざまなテンプレートにシームレスに適用できるようになりました。
No.64 IdeaExchange Delivered: Limit Who Receives Notifications About Certificate Expiration
証明書 に関する内容です。
本内容は IdeaExchange で要望の多かった内容になります。
証明書の有効期限切れのメール通知を受け取るユーザーをコントロールできるようになりました。
ただし、証明書の期限切れによるサービスの中断を防止するために、システム管理者プロファイルまたは [すべてのデータの編集]権限を持つユーザーには証明書の有効期限が切れる当日と前日にメールが送信されることなっています。
No.65 Accomplish More with Sales Copilot Topics
Einstein Copilot に関する内容です。
Einstein for Sales において、「Close Deals」、「Manage Deals」などの営業担当者向けの新しい4つの Copilot Topic が追加されました。詳細はリンクをご確認ください。
No.66 Handle More Use Cases More Consistently with Copilot Topics
こちらも Einstein Copilot に関する内容です。
これまでは、アクションを直接 Copilot に割り当てていましたが、トピックに複数のアクションを割り当てて、そのトピックをCopilot に割り当てることで、コパイロットがより正確な判断を下し、より適切な応答を生成できるようになりました。
すべての更新情報をご覧頂く場合は、更新情報一覧よりリリースノートをご覧ください。
続いて、次期バージョンであるWinter ’25 のリリースノートに関する更新情報です。
No.1 Test Restrictions on Salesforce Cookie Use
ブラウザーのサードパーティ Cookie のブロックに関する内容です。
Chrome 等の主要なブラウザーはデフォルトでサードパーティ Cookie をブロックしますが、ユーザーがブラウザで 3rd party Cookie を許可している場合があります。その場合、Salesforce で使用している Cookie が侵害される可能性があるため、[Salesforce Cookie のファーストパーティ使用が必要です] を有効にして、Salesforce Cookie を保護することを推奨します。今回のリリースノートの更新で、本設定がデフォルトで有効になるインスタンス情報が追記されましたが、日本は含まれていません。ただし、本設定を有効にすることで、Salesforce セッション Cookie を使用するカスタムコードや機能は影響を受ける可能性があるため、事前にテストが必要です。
No.2 Restore Files from a Backup
Salesforce Backup に関する情報です。
Winter ’25 から Salesforce Backup を使用してファイルをリストアできるようになる予定である旨のリリースノートが追加されました。
No.3 Verify SAML Integrations (Release Update)
Spring ’25 に強制適用予定のリリース更新の注意喚起です。
Salesforce では、定期的なメンテナンスの一環としてSAML フレームワークをアップグレードしており、シングルサインオンやシングルログアウトなど、SAML を使用するインテグレーションに影響を与える可能性があります。サービスの中断を避けるためにも、SAML インテグレーションを利用中のお客様は早めに Sandbox でテストを行うことを推奨します。
No.4 Adopt Updated Content Security Policy (CSP) Directives (Release Update)
こちらもリリース更新の内容です。
「更新されたコンテンツセキュリティポリシー ディレクティブの採用」というリリース更新は一旦キャンセルされました。ですが、クロスサイトスクリプティングやその他のコードインジェクション攻撃から組織を保護するために、この設定を有効にすることを引き続きお勧めします。また、今後 Salesforce は本件に関連する新しいリリース更新を作成する予定です。
No.5 Disable Redirections for Legacy Hostnames
拡張ドメイン適用前の URL にアクセスしたときのリダイレクトに関する情報です。
[私のドメイン]画面に新しい設定が追加され、拡張ドメイン適用前の URL へのリダイレクトを制御できるようになる予定です。
No.6 Understand SOQL Error and Functionality Changes to Update Your Code
動的 SOQL クエリーに関する情報です。
Winter ’25 のリリースは、古い SOQL エラーメッセージと機能に依存している既存の Apex コードや SOQL クエリからのエラーメッセージを解析するコードに影響を与える可能性があります。今回のリリースノートの更新では、この影響を受けるのは動的 SOQL クエリーのみであることが記載されました。これらの変更を確認し、必要に応じてコードを更新してください。
No.7 Track Permission Changes with Event Monitoring
イベントモニタリングに関する情報です。
プロファイルや権限セットで、権限やその他のアクセス設定の変更を監視する新しいイベント種別(Permission Update)がリリースされる予定です。
No.8 Access Einstein Copilot From Your Gmail Integration
Gmail インテグレーションに関する情報です。
Gmail インテグレーションから Einstein Copilot にアクセスする機能について、リリースノートが追加されました。
以下は、すべて新しく追加された Copilot アクションに関する情報です。
Copilot アクションを使用して、取引先や商談に紐づく主要な取引先責任者を特定したり、通話を記録することができるようになる旨のリリースノートが追加されました。詳細はリリースノートをご確認ください。
No.9 Organize and Quickly Find Records by Using Custom Labels with Einstein
No.10 Establish Action Items with Einstein
No.11 Discover Key Contacts, Their Roles in Influencing Deals, and the Deals They've Impacted
No.12 Get Instant Access to Pricing Information
No.13 Log Calls with Customers with Einstein Copilot
No.14 Focus on the Deals That Matter Most
No.15 Inbound Email Limit Increased
メールサービスに関する情報です。
1 日の受信メールの制限に達した後にキューに入れることができるメールの数が制限されるようになります。
キューに入れることができるメールの数は日次の受信メール制限と同じです。制限に達すると、受信メールはバウンスされますのでご注意ください。
No.16 Some Supported Time Zones No Longer Available
韓国のお客様向けの情報です。
Winter '25から、韓国標準時(アジア/平壌)のタイムゾーンはサポートされなくなります。
No.17 Sort List Views by Multiple Columns (Beta)
リストビューに関する情報です。
今までリストビューの並べ替えに使用できる項目は 1 つのみでしたが、最大 5 つの項目を使用可能になるベータ版の機能についてのリリースノートが追加されました。
No.18 Streaming API Versions 23.0 Through 36.0 Are Now Retired
機能の廃止情報です。
Winter ’25 で Streaming API バージョン 23.0 〜 36.0 は廃止予定である旨のリリースノートが追加されました。
No.19 Use Custom Generative AI to Power your Salesforce Development with Einstein for Developers (Generally Available)
開発者様向けの情報です。
Einstein for Developers の正式リリースを発表するリリースノートが追加されました。 Einstein for DevelopersはSalesforce Extension Pack の一部で、すべての Salesforce 組織でデフォルトで有効になる予定です。VS Code Desktop および Code Builder で使用できる予定です。
No.20 Change Einstein Activity Capture Permissions for Sales Engagement Basic Users (Release Update)
リリース更新に関する情報です。
「Sales Engagement 基本ユーザーの Einstein 活動キャプチャ権限の変更」というリリース更新の強制適用時期は、Spring '25に延期されました。内容については、後半の [リリース更新] セクションでご紹介します。
No.21 Enable New Order Save Behavior (Release Update)
こちらも、リリース更新に関する情報です。
「注文の新規保存方式を使用した迅速かつ正確な注文の詳細の取得」というリリース更新は自動的に有効化される予定でしたが、強制適用はされないことになりました。ですが引き続き有効化を推奨しておりますので、Sandbox でテストをして問題がない場合には有効化をお願いします。
No.22 Review and Update Settings to Capture Leads from LinkedIn (Release Update)
LinkedInと Salesforce を同期しているお客様向けの情報です。
LinkedIn の API の変更に関する詳細情報が更新され、引き続き LinkedIn Lead Gen フォームから生成されたリードをSalesforce に同期する場合は、手動で「リードフォームで LinkedIn Lead Sync API を使用する」設定を有効にする必要があります。
No.23 Salesforce Authenticator Users Are Automatically Guided to a Workaround if Push Notifications Time Out
多要素認証に Salesforce Authenticator をご利用中のお客様向けの情報です。
Winter ’25 以降、Salesforce Authenticator にプッシュ通知で送信されたリクエストに対して、ユーザーが 30 秒以内に承認できない場合、6 桁の時間ベースのワンタイムパスコード の入力を自動的に促すようになる予定です。
以上が、8 月 19 日以降のリリースノート更新情報からの一部抜粋となります。
すべての更新情報をご覧頂く場合は、更新情報一覧よりリリースノートをご覧ください。
続いて、インフラ強化です。
こちらはインスタンスリフレッシュに関する情報で、現在計画されているインスタンスリフレッシュの予定をご紹介しています。主に海外のお客様にてご利用いただいているインスタンスがメインですが、上記の日程にて本番組織、Sandbox 組織ともにインスタンスリフレッシュが計画されています。お手元に Trust サイトからメンテナンスの通知が届いているお客様は事前のご準備をお願いいたします。またインスタンスリフレッシュに関する準備につきましては、サクセスナビにて解説動画をご視聴いただけますので、該当するお客様は内容を是非ご確認ください。
関連リンク
続いて、Winter ’25 に適用されるリリース更新についてです。
こちらでは Winter ’25 に適用されるリリース更新に関する更新情報のご紹介します。
また、いくつか影響度の高いリリース更新もありますのでいくつかピックアップしてご紹介します。
まずは一番上の行に記載されている Einstein 活動キャプチャに関するリリース更新です。
「 Sales Engagement 基本ユーザ」の権限セットには Einstein 活動キャプチャを使用するための権限が含まれていましたが、このリリース更新が適用されると、該当の権限が権限セットに含まれなくなります。このリリース更新の適用時期が Winter '25から Spring ’25 に延期されましたので、「 Sales Engagement 基本ユーザー」の権限セットをお使いのお客様は Spring ’25 までにご準備をお願いいたします。
続いて、上から 2 行目の No-Reply メールアドレスに関するリリース更新です。
こちらのリリース更新が適用されると、ケースレコードを操作したときのメール送信で使用されるメールアドレス「デフォルトの No-Reply アドレス」の動作が変更となり、「デフォルトの No-Reply アドレス」に設定されているメールアドレスが未検証の状態だと一部のメールが送信されなくなります。そのためリリース更新が適用されるまでに「デフォルトの No-Reply アドレス」に設定されているメールアドレスの検証をお願いいたします。
続いて、下から 2 行目の EmailSimple 呼び出し可能なアクションについてです。
「組織のアドレス」を使用してメール送信をする場合、そのメールアドレスを使用することができるプロファイルを「組織のアドレス」で設定しておく必要があります。そしてこちらのリリース更新が適用されると、 EmailSimple でメールを送信する際も「組織のアドレス」で許可されているプロファイル設定に準拠するかたちとなり、システムコンテキストではなくユーザコンテキストで実行されるようになりますので、「組織のアドレス」に設定されているプロファイルに不足がないかご確認ください。
関連リンク
こちらのスライドでピックアップしたいのは、一番下に記載されているフローに関するリリース更新です。
こちらのリリース更新が適用されると、REST API 経由で実行されるフローがシステムコンテキストではなくユーザコンテキストで動作するようになります。そのためユーザのプロファイルや権限セットで許可されていないオブジェクトや項目はアクセスできなくなります。セキュリティ強化のための更新ですが、既存動作に影響を与える可能性があるため事前にご確認をお願いいたします。
関連リンク
こちらのスライドでは 1 点だけ更新がございます。一番下の行に記載されている注文レコード保存時の動作におけるリリース更新ですが、こちらについては強制適用は実施されないこととなりました。
リリース更新に関する情報は以上となります。
関連リンク
今月は更新情報に併せて、Winter ’25 で適用されるリリース更新の一部をピックアップしてご紹介させていただきました。今回取り上げたリリース更新以外にも、既存のカスタマイズに影響を与える可能性があるリリース更新がございますので、Winter ’25 がリリースされるまでにそれぞれのリリース更新の内容をご確認いただければと思います。
続いて、その他の更新です。
こちらは以前からお知らせしております Classic ナレッジデータモデル廃止についてです。
引き続き、Winter ’25 のリリースノートにも記載されていますので、Lightning Knowledge への移行をご計画の際に、是非ご確認ください。
関連リンク
次は、拡張ドメインに関するロードマップについてです。
前回、ロードマップの変更があり Winter ’25 では Sandbox 等の非本番組織での旧 URL から新 URL へのリダイレクトが停止、Spring ’25 で本番組織での旧 URL から新 URL へのリダイレクトが停止と変更となりました。
本件の準備には時間がかかることも想定されるので早めの対応をご検討ください。
また、拡張ドメインに関するリリースノート、拡張ドメイン適用前の URL にアクセスしたときのリダイレクト停止についてのサクセスナビ記事などの参考情報もご覧頂いて、リダイレクト停止に向けた準備にお役立てください。
関連リンク:
続いて、「機能の廃止」です。
こちらでは一点更新がございます。
メンテナンス計画の頻度種別項目の廃止についての更新です。終了時期が 2024 年 10 月から 2025 年 10 月へと一年延期となっています。
関連リンク:
こちらでは、1 点更新があります。
Sales Enablement、旧my Trailheadの廃止について追加されました。
契約終了日をもって廃止される旨が記載されております。該当機能をご利用のお客様は、ご確認いただけますようお願い致します
こちらは再掲となりますが、Salesforce Platform API バージョン 21.0 ~ 30.0 の廃止が、Summer '25( 2025 年 6 月 )に予定されています。
API の更新作業は、Salesforce 以外のシステムでの作業が必要となります。対応に時間がかかることが想定されますので、対象のお客様には Salesforce からメール通知も行われております。
また、Salesforce Platform API バージョン 21.0 ~ 30.0 の廃止についてのサクセスナビにて、API バージョン廃止の対応について、冒頭の動画で説明させて頂いて降ります。こちらも活用頂き、早めの対応をお願い致します。
関連リンク
続いて、従来のチャットと Live Agent の廃止です。
こちらも再掲となりますが、重要なお知らせになりますので再度、お知らせ致します。
従来のチャットや Live Agent をご利用中のお客様は、既に製品コミュニケーションメールを受けとられていると思います。従来のチャット機能や標準ボット機能をご利用の場合、2026 年 2 月 14 日に廃止され、それ以降は機能をご利用いただくことはできません。
そのため、早めにアプリ内および Web のメッセージングへの移行計画を立てていただくことを推奨致します。
アプリ内および Web のメッセージングは、私たちの生活でよく利用している非同期チャットを利用できます。それ以外にも、双方向でファイルのやりとりができたり、顔文字が使えたりと Live Agent ではできなかった多くの機能をご利用いただけます。対象のお客様におかれましては、早めのご対応をお願い致します。
関連リンク
- リリースノート:Legacy Chat Is Being Retired
- ナレッジ:チャットおよび Live Agent の廃止
最後に、その他の情報です。
本動画や資料に関するアンケートがございます。ぜひみなさまの率直なご意見をお聞かせください。
いただいたご意見をできるだけ反映し、より良いものにしていきたいと考えておりますので、ご協力いただけますと幸いです。
9 月度のアップデートは以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
公開日: 2024.09.24
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