(2024年2月) Salesforceの運用に関する重要なお知らせ
公開日: 2024.02.28
この記事で学べること
- Salesforce コア製品に関する重要な技術情報
- バージョンアップ情報やメンテナンス情報(バージョンアップ以外)、IP アドレスフィルタリングをしている場合に必要なIPアドレス範囲に関する情報、製品廃止情報、リリース更新などの重要情報
- セキュリティに関する重要なアップデート
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本記事は「Salesforceの運用に関するお知らせ」の2月号となります。
こちらの記事では、メンテナンス情報や技術情報、セキュリティ関連情報の構成で、特に重要な更新情報をピックアップしてご紹介いたします。必要なアクションをお客様にいち早く気づいていただくことを目的としていますので、毎月必ずご確認いただけますと幸いです。
2024年2月のトピックはこちらになります。本記事では、前月との差分である赤字の部分についてと、特に重要な情報をピックアップしてご紹介します。
まずは、製品イノベーションに関する情報です。
日本のお客様向けのインスタンス(APx、JPNx)が2月11日にSpring ‘24になりました。
サクセスナビに「Spring '24リリース 注目の新機能」ページが公開されています。既に、注目機能のななめ読みを参照いただけますが、来月には各製品のエキスパートが注目機能を紹介する動画が追加される予定なので、ぜひブックマークをして楽しみにお待ちください。
関連リンク
- Salesforce Admins:Admin Release Countdown: Get Ready for Spring ’24
- サクセスナビ : バージョンアップに備えましょう
- サクセスナビ:Spring '24リリース注目の新機能
- オンラインコミュニティ:Release Readiness Trailblazers
- Spring '24 Release note
- Salesforce Sandbox プレビュー手順
- Trustサイト(リリーススケジュール)
- Spring'24 Release Site
- Spring '24 Release Highlights
- Release Overview Deck
- Release in a Box
- Release Feature Matrix
続いて、リリースノートの更新情報です。
Spring ‘24のリリースノートの更新情報のうち、現行動作に影響を与える可能性があるものと注目の機能を抜粋してご紹介します。今月は、1月9日以降の更新の抜粋になります。
No.4 Create From Lookup Changes
参照項目の動作に関する内容です。
参照項目からレコードを作成する際に「保存 & 新規」ボタンが表示されなくなります。参照項目以外からのレコード作成画面では引き続き「保存 & 新規」ボタンは表示されます。
No.5 Control Your Data Prep Concurrency Allocation
CRM Analyticsに関する情報です。
Spring '24からAnalyticsの設定画面に、[データフローとレシピ間での同時実行制限の共有を有効にします]オプションが追加されました。今回のリリースノートの更新では、それを設定するためにはCRM Analytics Plusのライセンスが必要である旨が追加されました。
No.6 Address Your Users’ Connection Issues Quickly by Seeing Org ID and Username in Notifications
Einstein 活動キャプチャに関する情報です。
Einstein活動キャプチャの[接続状況通知]をONにしている場合、状況通知メールの本文に、組織IDとユーザー名が表示されるようになりました(以前のメール本文に含まれていたのは組織名のみでした)。なお、この変更はアプリケーション内通知には適用されません。
No.7 Unify Your Organizational Knowledge Across Sources in Salesforce (Beta)
ナレッジに関する情報です。
Spring '24から、SharePoint等のサードパーティシステムのナレッジをSalesforceに統合するUnified Knowledgeのベータ版がリリースされる予定でしたが、2024年2月23日から本番およびプレビュー対象のインスタンスのSandboxで有効にできる旨がリリースノートに追加されました。
No.8 Encrypt Fields Used to Train Generative AI Models
生成AI関連の情報です。
プラットフォーム暗号化の機能について、自然処理言語トレーニング モデルに入力されたデータを暗号化できる旨がリリースノートに追加されました。
No.9 Return to the Record Page with Record Create on Custom Quick Actions
クイックアクションにおける保存後のナビゲーションの変更に関する情報です。
以前は、カスタムクイックアクションからスタックモーダル経由でレコードを作成すると、新しく作成されたレコードページにリダイレクトされていましたが、Spring'24では、保存後のナビゲーションが発生しなくなりました。レコードを保存すると、クイックアクションのトリガーとなったレコードページにリダイレクトされます。
No.10
生成AIに関する情報です。
Spring ‘24より、Einstein Sales Emails(取引先責任者とリード向けのパーソナライズされたメールをAIが生成してくれる機能) をExperience Cloudサイトでの利用可能になる予定でしたが、削除されました。
No.11 The Cloud Security Website Is Being Retired
弊社のセキュリティに関するサイトの情報です。
Cloud Securityサイト(https://security.my.salesforce-sites.com/)を公開してましたが、当社のコンテンツライブラリの質を向上させる取り組みの一環として、2024年2月初旬に閉鎖されました。上記サイトに掲載されていた情報の代替リソースはリリースノートに纏められておりますので、ご確認ください。
No.12 Resolve and Deflect Issues with Einstein Search Answers (Generally Available)
生成AIに関する情報です。
リリースノートに、Search Answerは英語の記事のみをサポートすることが明記されました。また、Search Answerは2024年2月末から順次利用可能になる予定です。
No.13 Use Work Summaries in More Languages
こちらも、生成AIに関する情報です。
複数言語で作業要約を利用できるチャネルはチャットのみであることが明記されました。
No.14 Update Sharing Settings for the Operating Hours Object
営業時間オブジェクトの共有設定に関する情報です。
Spring '24で、営業時間オブジェクトの共有設定ができるようになりました。認証されていない (ゲスト) ユーザーが営業時間オブジェクトのデータにアクセスをする要件がある場合には、共有ルールを手動で作成する必要があります。また、 Salesforce Scheduler 経由で 営業時間オブジェクト にアクセスする場合、enableDepriveSoqlAccessGuestUserOrgPrefというメタデータAPIのフィールドをTrueに設定する必要があります。
No.15 Unlock the Power of AI with Einstein Studio
生成AIに関する情報です。
Einstein Studioの使い方を明確にしました。Einstein Studio タブでは、予測および生成 AI を強化する AI モデルを管理することができます。
No.16 Salesforce Ant Migration Tool End of Life
開発者様向けの情報です。
SalesforceのAnt移行ツールは、Spring '24で廃止される予定です。廃止後も、Ant移行ツールを利用することはできますが、新しい機能は更新されず、サポートされません。メタデータの変更を管理するには、Salesforce CLIに切り替えてください。
No.17 Record Access Is Secure by Default after Enabling Digital Experiences
ロールを利用可能なコミュニティユーザライセンスをご利用中のお客様向けの情報です。
2024年2月8日以降に作成された Salesforce 組織でデジタルエクスペリエンスを有効にした後のロールの変更に関するリリースノートを追加しました。
2024年2月8日以降に作成されたSalesforce組織では、デジタルエクスペリエンスを有効にした後も、共有ルールやその他の機能によってロールおよび内部下位グループと共有されたレコードは、その内部ユーザのみがアクセスできます。
2024年2月8日以前に作成された組織では、内部ユーザーと共有されたレコードは外部サイトユーザーにも自動的に公開されるため、外部ユーザーアクセスの変換ウィザードを使用してアクセスを確保する必要があります。
(No.18~20は、Salesforce Back Upに関する情報です)
No.18 Back Up New Data On Demand
Salesforce Backupアプリケーションのバージョン2.13では、自動バックアップだけでなく、任意のタイミングで増分バックアップを取得できるようになります。
No.19 Control Formula Field Data Backups at the Object Level
オブジェクト毎に数式項目のバックアップを取得することができるようになりました。
No.20 Back Up Files and Attachments
ファイルと添付ファイルをバックアップに含めることができるようになりました。
No.21 Allow the New Setup Domain to Ensure Access to Salesforce Setup Pages
設定画面用の新しいドメインが追加される予定です。後述の[その他の更新]セクションで詳細を解説します。
No.22 Use Dynamic Forms on Pinned Region Pages
アプリケーションビルダーに関する情報です。
ヘッダー等が固定されたテンプレートを使用するLightningレコードページで動的フォームが使用できる旨のリリースノートが追加されました。
No.23 Use Einstein Conversation Insights with Microsoft Teams and Google Meet
Einstein会話インサイトに関する情報です。
Spring ’24から、ビデオプロバイダーとしてMicrosoft TeamsとGoogle Meetを使用可能になる予定でしたが、Google Meetとのインテグレーションは2024年2月下旬に可能になることが明記されました。
No.24 Enforce Rollbacks for Apex Action Exceptions in REST API (Release Update)
リリース更新に関する情報です。
「REST API で Apex アクションの例外が発生した場合のロールバックの適用」というリリース更新の強制適用時期が、Spring ’24 から Spring '25に修正されました。
以上が、リリースノート更新情報からの一部抜粋ですが、関連機能をご利用のお客様はスライドにございますリンクより詳細をご確認ください。またすべての更新情報をご覧頂く場合は、更新情報一覧よりリリースノートをご覧ください。
続いて、多要素認証(MFA)に関する情報です。
Spring’24が適用されたことにより、これまで MFA の自動有効化が実施されていなかった組織に対して、MFA が自動有効化されました。この自動有効化は30日の猶予期間があり、MFAの準備ができていない場合、管理者様は組織のMFAを無効化することができます。しかしMFA適用は利用規約上必須なので、早めの対応をお願い致します。
関連リンク
続いて、インフラ強化です。
インスタンスリフレッシュですが、今回は多くの更新がございます。
まず、2月18日に計画されていたインスタンスリフレッシュは実施されましたが、EU16インスタンスについてはキャンセルとなり、別日程で実施される予定です。
次に、新たにインスタンスリフレッシュの計画が追加されているのでご案内します。
上記スライドに記載されている日程にて本番組織、Sandbox組織ともにインスタンスリフレッシュが計画されており、日本のお客様にご利用いただいている「AP」で始まるインスタンスも計画の対象に含まれています。
お手元にTrustサイトから通知が届いているお客様もいらっしゃると思います。メンテナンス情報はTrust通知にて把握することができますので、Trust通知の登録をされていない管理者様はサクセスナビをご覧いただき、事前登録をお願いします。
また、インスタンスリフレッシュに関する準備につきましては、解説動画をサクセスナビよりご視聴いただけますので、該当するお客様は内容をご確認いただけますようお願いします。
関連リンク
続いて、許可すべきIPアドレスとドメインに関する情報です。
「SalesforceのIPアドレスとドメインで許可する」のナレッジが1月15日と2月6日に更新されています。
ARINとRIPEのそれぞれのリージョンでIPアドレス範囲が追加されていますのでご確認ください。
Hyperforceに関するナレッジ「Hyperforce 上の Salesforce サービスへの中断しないアクセスを維持する」も1月16日と2月9日に更新され、ストリーミングAPIの要件が削除、また、W3School の HTML URL エンコーディングリファレンスへのリンクが追加されています。
そして、「Salesforce アプリケーションからのメールを受信できるようにする」のナレッジも1月24日に更新され、一部IPアドレスが除外されています。詳細は、対象ナレッジの英語版の改版履歴をご確認ください。
次にシステムメンテナンスについてです。
Hyperforce以外の優先システムメンテナンススケジュールについてです。
こちらは英語版の公開ナレッジを基に、対象インスタンスを最新に更新しております。日本のお客様がご利用のインスタンスについても古いインスタンスを削除し、新しいインスタンスが追加されていますので、ご確認をお願い致します。
関連リンク
続いて、リリース更新に関する情報です。
こちらのスライドは2月にリリースされた Spring’24 において適用されたリリース更新と、Spring'24以降に段階的に適用されるリリース更新の一覧です。リリース更新の適用によって以前と動作が変わっている機能もございますので、今回適用されたリリース更新の内容を改めてご確認ください。
関連リンク
こちらのスライドは次期バージョンである Summer’24 で適用予定のリリース更新です。
リリース更新の中には重要な更新が含まれています。一部ご紹介させていただきますと、例えば、別のSalesforce組織へのリダイレクトを制御するものや、組織のメールアドレスで許可されたプロファイルを設定しないとメールが送信できなくなるもの、複数のSAMLフレームワークを適用するための更新など、Summer’24 リリースの前に管理者様にご確認いただきたい更新がございます。Summer’24 は6月にリリースされますので、それぞれの更新に関するヘルプ記事をご確認いただき、適用のご準備をお願い致します。
関連リンク
続きまして、その他の更新です。
こちらでは、Salesforce組織で使用されているURLの一部が更新されることをご案内いたします。
URLが更新されるのは、Salesforceの画面の右上からアクセスする「設定」ページのURLで、「設定」ページのURLが「*.salesforce-setup.com」のURLに更新されます。この更新はすべての組織に一括で適用されるのではなく、段階的に適用を進めていく予定となっております。お客様のネットワーク環境において、アクセスできるサイトをドメインで制御している場合、「設定」ページにアクセスできるようにするため、該当ドメインを許可するように設定をお願い致します。
関連リンク
続いて、機能の廃止についてです。
機能廃止についての更新情報はないのですが、廃止時期が近づいている機能がございますのでご紹介します。
Salesfore for Outlook の機能廃止が 2024年6月で予定されています。該当機能をご利用のお客様は、Outlook インテグレーションやEinstein 活動キャプチャへの移行をご検討ください。
関連リンク
最後にその他の情報のお知らせです。
こちらでは、サクセスナビにAI特設ページが開設されたことをご紹介しております。こちらの特設ページでは、AI は Salesforce でどのように実現されるのか、AI を導入していくためにはどのようなステップを踏めばいいのかといった、AI に関する解説情報をご案内していますので是非ご一読いただければと思います。
本動画や資料に関するアンケートがございます。ぜひみなさまの率直なご意見をお聞かせください。
いただいたご意見をできるだけ反映し、より良いものにしていきたいと考えておりますので、ご協力いただけますと幸いです。
2月度のアップデートは以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
公開日: 2024.02.28
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