検索役を担う「レトリーバー」
公開日: 2025.07.29
この記事で学べること
- レトリーバーの役割
- デフォルトとカスタムの2種類のレトリーバーの違い
- ユースケースに応じたレトリーバー設定のポイント
レトリーバーとは
この記事では、レトリーバー( Retriever )機能の役割と設定について詳しく説明します。検索インデックスがデータを準備する機能だとすれば、レトリーバーは準備されたデータを引き出す機能です。 Agentforce がどのようにレトリーバーを使うか、また設定するうえでのベストプラクティスなどを紹介します。
- レトリーバーとは: レトリーバーは RAG における「検索役」を担う Data Cloud の機能です。ユーザーからの質問(プロンプト)に対し、その質問をまずベクトル化(数値化)し、それをキーとしてベクトルデータベース内を検索します。検索によって類似度が高いと判断された情報を特定し、グラウンディング情報としてプロンプトに引き渡します。このプロセスにおけるレトリーバーの役割をさらに詳しく分解すると、「類似性の高いデータの特定」と、「プロンプトへの情報引き渡し」を担います。
- 類似性の高いデータの特定:定義された検索条件をもとに対象のデータの中から質問と類似性の高いデータを特定する
- プロンプトへの情報引き渡し:類似性の高いデータを特定した後、そのデータに関連する情報から特定の項目をプロンプトに返す

レトリーバーの種類と設定概要
レトリーバーには、デフォルトとカスタムの2種類があります。
- デフォルトレトリーバー: 検索インデックスを設定すると、自動的にデフォルトレトリーバーが作成されます。このデフォルトレトリーバーは特別な設定をしなくてもそのまま利用できます。例えば、 Salesforce のナレッジ記事をもとに検索インデックスを設定した場合、「ナレッジ記事全体を対象に関連性の高い記事を探し出し、その本文の該当箇所を引き渡す」ようなイメージです。
- カスタムレトリーバー: 標準のレトリーバーでも十分機能しますが、より精度を高めたり用途に応じた検索挙動にするためにカスタマイズも可能です。 Data Cloud の「 Einstein Studio 」タブからレトリーバーを作成し、検索の仕方を調整できます。調整できる部分としては、検索対象の絞り込み、検索結果として取得する項目や件数などです。これにより、ユースケースごとに関連性の高い情報のみを検索対象とし、グラウンディング情報として使用できるため、生成結果の精度向上が期待できます。 Salesforce のナレッジ記事の例では、「製品 A に関する記事だけを検索対象にし、記事の本文に加えてタイトルや URL も引き渡す」というような制御ができます。
カスタムレトリーバーのベストプラクティス
ユースケースごとに必要なデータを検索対象とできるよう、以下の観点でレトリーバーの設定を行います。
- 検索対象の絞り込み: 検索インデックスの設定時に選択した検索対象項目をもとに、検索実行時に対象とするデータを絞り込むことができます。例えば製品 A のナレッジ記事のみを対象にしたい場合、ナレッジオブジェクトの製品カテゴリ項目が「製品A」と一致するレコードのみを検索対象とするような設定ができます。これにより、関係のない製品に関する情報ははじめから除外されるため、より関連性の高いデータを的確に取得できる可能性が高くなります。
- 検索結果の項目選択: プロンプトに情報を引き渡す際、どの項目を使用するかを選択できます。検索インデックスの設定によって作成されたチャンクテキスト以外にも、その元となったレコードの項目の値を使用することもできます。項目を追加する際には、グラウンディング情報として意味のある項目だけに絞ることが重要です。例えば、チャンクテキストにさらに文脈を付与するために記事タイトルを追加したり、応答文にそのまま引用させるための URL 項目を追加するなどが有効な項目です。一方で、記事番号や作成者などの項目は、情報として与えてもノイズになる可能性が高いので、そのような情報は選択しないようにします。
まとめ
レトリーバーは RAG における「検索役」で、 Agentforce が質問に対応する際、質問内容を数値化してベクトルデータベース内を検索し、質問の意味に近いデータを探し出す役割を担います。デフォルトとカスタムの2種類があり、デフォルトは自動作成され特別な設定は不要です。カスタムは精度を高めるために検索対象の絞り込みや結果項目・件数などを調整できます。ユースケースごとに必要なデータを検索対象とできるよう、検索インデックスの設定や検索結果の項目選択を行うことが重要です。ここまでのステップで RAG の準備が完了です。次の記事では、それを Agentforce で活用する方法について解説します。
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参考リソース
公開日: 2025.07.29
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