バックアップとリストア

運用

公開日: 2023.11.09

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この記事で学べること

  • バックアップの重要性とバックアップすべきデータの種類を知ることができます
  • 主なバックアップ方法を知ることができます

定期的にバックアップをしてますか?

システム管理者の皆様は、データローダを使用する前など作業がうまくいかなかった場合に備えて、事前にバックアップを取っていると思います。ですが、定期的にバックアップを取得していますか?

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上記は、2018年のDreamforceで実施したデータ保護に関するアンケートの結果です。

回答者のうち、なんと28%の方がデータ損失や破損を経験しており、その原因の内訳で最も多かったのが、人的ミスでした。システム管理者の皆様が気を付けていても、ユーザが誤ってデータを更新してしまったり、削除してしまう可能性は十分にあります

また、以下は実際に起きたデータ損失の事例です。

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データ損失や破損の原因は人的ミスだけでなくシステム的な要因や天災などがありますが、有事に備えて業務で使用する大切なデータについては、定期的にバックアップをして、復旧計画を立てておくことが重要です。

バックアップの重要性

お客様組織の総合的なデータ管理およびセキュリティモデルの一環としてデータのバックアップおよびリカバリ計画を立てておくことは、システム管理者である皆様の役割です。手元にバックアップがあることで、有事の際にもタイムリーに復元ができるため、安心してSalesforceをご利用いただけます。

では、具体的にどのようなデータのバックアップが必要なのでしょうか。

実は、一般的に想像するデータ(取引先や商談、ケースなど)だけでは十分ではありません。

詳しく見ていきましょう!

データの種類(データとメタデータ)

Salesforceはマルチテナントアーキテクチャを採用しており、メタデータ駆動型アーキテクチャを搭載したサービスです。システム管理者の皆様は、データとメタデータの違いを理解しておくことは重要です。

  • データ

データとは、取引先、取引先責任者、リード、商談、ケース、契約書、他のレコードなど、ユーザのすべてのレコードを意味します。データには、カスタムオブジェクトレコード、ファイル、コンテンツ、Chatter も含まれます。

  • メタデータ

メタデータとは、カスタム項目、ページレイアウト、カスタム、ダッシュボード、Apex や Visualforce のようなカスタムコードなど、設定情報を示します。

さぁ、どちらのデータのバックアップが必要でしょうか?

答えは・・・両方です!

データのバックアップが必要な理由は?

システム管理者がデータの削除や更新をした後に、その操作が間違いであったことに気付くことがあります。データローダのようなツールを使用すれば、レコードの削除や更新を一括で行うことができるのは、皆様よくご存知だと思います。また、ユーザがインポートウィザードを使用する際、ソースファイルや項目の対応付けをちょっと間違えたことによってデータが意図しない結果になってしまうことがあります。

そのような事態に備えるため、データを定期的にバックアップすること、また、データ移行作業前には必ず手動のバックアップを行うことをお勧めします。

メタデータのバックアップが必要な理由は?

システム管理者や開発者、および高度な権限を有するユーザも人間です。誤ってカスタム項目の追加や削除、ページレイアウトの変更、レポートやダッシュボードの削除や変更、カスタムコードの変更をしてしまうこともあるでしょう。

こうした変更の多くは元に戻すことができないため、以前の設定を復元する必要が生じた場合に元に戻せるよう、メタデータのバックアップを取得しておくことが重要です。

それでは、Salesforceが提供している主なバックアップ機能をご紹介します。

Salesforceが提供しているバックアップ機能



機能概要
制限
リソース

Salesforce バックアップ
(拡張機能)

・管理パッケージをインストールし、バックアップポリシーを設定します
・設定したバップアップポリシーに基づきバックアップを自動生成します
・数回のクリック操作でバックアップからデータの復元ができます
・バックアップと復元の状況をログでリアルタイムに確認できます

・一部サポートされていないオブジェクトがあります(例:Bulk APIがサポートされていないオブジェクト、Big Object)
・データを一括で復元することはできません(2023年11月時点)
※リリース毎に機能が追加されています。最新情報は弊社テクニカルサポートもしくは営業担当者へお問い合わせください

Salesforce バックアップを使用したデータの保護(ヘルプ)

データエクスポートサービス      
・設定画面から毎週もしくは毎月の
エクスポートをスケジュールできます
・エクスポートデータはCSV形式で
出力されます
・ファイルもエクスポートできます

・データ量が多い場合はエクスポートに
時間がかかります
・エクスポート完了後24時間以内に
ダウンロードする必要があります

Salesforce からバックアップデータ
をエクスポートする(ヘルプ)


データローダ
・PCにインストールしてエクスポート
します

・Soap APIやBulk APIの使用制限があります
・定期実行するには開発が必要です
・オブジェクト毎にエクスポートが必要です

初めてのデータローダ Export編
(サクセスナビ)


レポートのエクスポート
・レポートを作成し結果をエクスポート
します

・定期実行はできません
・項目数などレポートの制限が適用されます

レポートのエクスポート

フルSandbox
・本番環境の(データを含む)コピーを
作成します

・Unlimited Editionの契約、もしくは
フルSandboxを購入する必要があります
・更新ができるのは29日毎です

Sandboxを作成(ヘルプ)

この機会に、データエクスポートサービスをスケジュールしておきましょう!

[設定][データ][データのエクスポート]

image.png
  • [エクスポートをスケジュール]の各オプションについては、Salesforce からバックアップデータをエクスポートする(ヘルプ)をご確認ください
  • ウィークリーエクスポートサービスの実行が完了すると、システム管理者宛にメールが送信されます。48時間以内にデータをダウンロードして安全な場所に保管してください。

メタデータのバックアップ方法



機能概要
制限
リソース

変更セット
設定画面から、バックアップ対象のコンポーネントを変更セットに追加・送信することで、本番組織のメタデータを Sandbox に送信します。
コンポーネントによっては変更セットに追加できないものがあります。
変更セットの概要(ヘルプ)

Sandboxの作成・更新
設定画面から、Sandboxを作成または既存の Sandbox を更新すると、本番組織のメタデータがコピーされます。
作成・更新するSandboxの種類によって、更新間隔が異なります。
Sandbox の作成(ヘルプ)
種類別 Sandbox ライセンスおよびディスク使用制限(ヘルプ)


Visual Studio Code
VSC(統合開発環境)を使用してメタデータをXML形式でローカルディレクトリに保存します。

メタデータの制限があります。
クイックスタート: Salesforce 開発のための Visual Studio Code(Trailhead)
メタデータの制限

データを復元する方法は?

Salesforce では、お客様が各自のバックアップデータを復元する手段として、いくつかの機能をご用意しています。

変更セットを使用します。

または、Visual Studio Codeを使用して一旦ローカルディレクトリにダウンロード(Retrieve)した後、そのメタデータを本番環境へアップロード(Deploy)します。

データの復元

データローダ、データインポートウィザード等を利用することができます。

詳細は、データをインポートする方法の選択(ヘルプ)をご確認ください。

また、復元時には以下のような考意事項があります。

  • レコードの復元(再作成)時に、元のSalesforce IDを指定することはできません。
  • 他レコードとのリレーションがあるデータを復元する場合、親→子の順番で復元します。例えば、取引先と取引先責任者を復元する時は、まず、取引先を復元した後に取引先責任者を復元します
  • レコードの復元(再作成)時に監査項目(作成日、作成者、最終更新日、最終更新者)を指定したい場合は、「監査項目の作成」を有効化することで実施できる場合があります。詳細は、監査項目を有効化する前の考慮事項(ナレッジ)をご確認ください
  • 履歴情報など、復元できないデータもあります。
  • APIを使用して復元する場合、24時間あたりのAPI コール数の上限があります。
  • レコード作成時に設定された自動処理(プロセスビルダー、トリガー、入力規則など)がある場合は無効にします。
  • 復元時に、他システムとのインテグレーションに影響はないか事前に確認しましょう。

学習ツール

まとめ

  • データを定期的にバックアップしましょう
  • データ移行作業前には、必ず手動でバックアップを行いましょう
  • メタデータのバックアップも行いましょう

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