テスト環境を活用しよう

基本設定

公開日: 2021.04.27

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この記事で学べること

Salesforceには、「Sandbox」と「Developer Edition」という、大きく分けて2種類のテスト環境があります。「カスタマイズの動作確認」「本番環境への影響確認」「機能の開発」など、用途に合わせて適切な環境を利用することで、本番組織への実装ミスの防止につながります。

Sandbox

Sandbox とは、本番組織の設定情報をコピーしたものです。新機能の開発や、新機能が与える本番組織への影響を調査するときなどに利用すると便利です。Sandboxは本番組織から隔離されているため、Sandbox で実行する操作が本番組織に影響することはありません。

Sandboxは作成時の本番組織をコピーしているため、時が経つにつれて、コピー元組織と乖離してしまい、テスト結果に影響がでることもあります。そこで、Sandboxを「更新」することで、最新の状態にすることが可能です。ただし、更新間隔が決まっており、一度更新すると一定期間更新ができないので注意が必要です。

Sandboxには、4つの種別があり、それぞれデータ使用量や、コピーされるデータ、更新間隔が異なります。

Developer Sandbox

本番環境のレコードデータは含まれておらず、またデータ使用量上限は 200MB です。隔離された環境での開発とテストを目的としています。更新間隔は1日です。

Developer Pro Sandbox

本番環境のレコードデータは含まれておらず、またデータ使用料上限は1GBです。Developer Sandbox と比べ、データ使用量が大きいため、例えば本番環境からエクスポートしたレコードをインポートして使用することも可能です。開発および品質保証作業の処理や、インテグレーションテストまたはユーザトレーニングに使用します。更新間隔は1日です。

Partial Copy Sandbox

本番組織の指定するオブジェクトのデータが含まれており、データ使用量上限は5GBです。テスト環境として使用されることを目的としていて、ユーザ受け入れテスト、インテグレーションテスト、トレーニングに使用します。更新間隔は5日です。

Full Sandbox

すべてのデータ (オブジェクトレコード、添付ファイルなど)を含む、本番組織の複製です。パフォーマンステスト、負荷テスト、およびステージングをサポートするのは Full Sandbox のみです。更新間隔は29日と長いため、開発には向いていません。

今回は、新規オブジェクトの作成とワークフローの動作確認をするためにDeveloper Sandboxを作成してみます。

操作手順

1.[設定]|[クイック検索]ボックスに「Sandbox」と検索し、 [Sandbox]をクリックします。

2.[新規Sandbox]をクリックします。

3.名前と、作成元を指定します。Developer Sandboxを作成したいので、Sandboxライセンスの[Developer]欄下部にある[次へ]をクリックします。

4.必要であれば、Sandboxオプションを指定し、[作成]をクリックします。

作成にかかる時間は、Sandbox種別やコピーするデータ量に応じて変わります。作成完了後、Sandboxが有効化され、使用可能となります。

これで、Sandboxの種別と作成手順を知ることができました。

さて、Sandboxでの開発・テストが完了しましたが、それをまた1から本番組織に実装するのは手間がかかると思いませんか?そんなときに使用するのが、「変更セット」です。

変更セット

変更セットを使用すると、本番組織と関連付けられている組織間でカスタマイズを送信することができます。

たとえば、Sandbox で新しいオブジェクトを作成・テストしてから、変更セットを使用して本番組織に送信することができます。変更セットには組織に関する情報は含まれますが、レコードなどのデータは含まれません。

今回は、Sandboxで新たに作成したアプリケーションを、本番組織に送信したいと思います。

操作手順

本番環境で、送信セットを受信する準備をします。

1. [設定]|[クイック検索]ボックスに「リリース設定」と検索し、 [リリース設定]をクリックします。

2.送信するSandbox名の左にある[編集]をクリックし、[変更着信を許可]にチェックを入れ、保存します。

続いて、Sandboxで本番組織に送信するための「送信変更セット」を作成します。

1. [設定]|[クイック検索]ボックスに「送信変更セット」と検索し、 [送信変更セット]をクリックします。

2.[新規]をクリックし、名前を入力して、保存します。

3.変更セットコンポーネントの[追加]をクリックします。

本番組織に送信したい設定の一つひとつを「コンポーネント」として送信変更セットに追加します。

4.[コンポーネントの種類]で「アプリケーション」を選択し、送信したいアプリケーションにチェックをいれて[変更セットに追加]をクリックします。

5.[プロファイルの追加]をクリックし、送信する変更セットの権限を付与するプロファイルを決定します。

このとき、変更セットを送信すると本番組織のプロファイルが上書きされます。したがって、本番組織にのみプロファイルが存在する場合や、本番組織とプロファイル権限に差異が生じている場合は、事前にプロファイルの権限を同じに設定しておく必要があります。

6.コンポーネントとプロファイルの追加が完了したら、[アップロード]をクリックし、本番環境を選択して、再度[アップロード]をクリックします。

アップロードが完了すると、完了メールが届きます。

本番環境で、受信した変更セットをリリースします。

1. [設定]|[クイック検索]ボックスに「受信変更セット」と検索し、 [受信変更セット]をクリックします。

2.[リリース待ちの変更セット]にある変更セットの[検証]アクションをクリックし、エラーがないことを確認します。

3.[リリース]アクションをクリックし、リリースします。

操作は以上です。

Sandboxを利用することで、新しく機能を追加したいときに開発や動作テストをすることができます。本番環境から隔離されているため、レコード作成や設定変更を伴う、ユーザのトレーニングに活用することも可能です。

また、変更セットを利用することで、複数の組織で設定する手間を省くことができ、工数削減につながりますね。

Developer Edition

Developer Editionとは、無料で利用できるSalesforce の開発環境です。使ったことのない機能を試行したり、システム管理者用トレーニングに活用することができます。他にも Salesforce が提供する無料の学習プラットフォーム「Trailhead」のハンズオン環境としてもご利用いただけます。

作成手順

1.Developer Edition入手サイトにアクセスして、フォームに必要事項を入力し、[サインアップ]をクリックします。

2.登録したメール宛に届く、 “Salesforce へようこそ:アカウントを確認してください” というメールから、[アカウントを確認]をクリックします。

3.パスワードを設定し、[パスワードを変更]ボタンをクリックします。

これでDeveloper Editionのアカウントを作成することができました。

以降は、ログインページより、設定したユーザ名とパスワードでログインしてください。

考慮事項

  • Sandboxでは、ユーザのメールアドレスに .invalid が付加されるため、テストメールを送信する場合は、メールアドレスを変更する必要がある
  • Sandboxは、組織のSales Cloudエディションによって使用できる種別が異なる
  • Developer Edition組織は、12 か月間ログインしていないと無効となり、さらに91日以上経過すると、完全に削除される

学習ツール

まとめ

テスト環境で影響調査や動作テストを実施することで、本番組織での失敗を防ぐことができます。

また、「Developer Edition」は、使ったことのない機能も試用することができるので、開発テストだけでなく学習ツールとしてもご利用いただけます。ぜひまだの方は活用してみてください。

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