連載:『営業改革のコンパス~規模に応じたトランスフォーメーションの最適設計~』vol.6

2021.10.07

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営業活動は不完全情報ゲーム

みなさんは「完全情報ゲーム」と「不完全情報ゲーム」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。完全情報ゲームとは簡単に言うと、将棋や囲碁のように、対戦相手の情報も含めてすべてが見えている状態で行うゲームのことです。

一方、不完全情報ゲームとは、マージャンやポーカーのように、自分の牌やカード以外は見えず、一部の開示されている情報をもとに推理して進めていくゲームのことです。相手の牌やまだめくられていない牌を想像しながら進めますが、必ずしも予定通りにはいかず、勝負は運しだいだということもできます。

不完全情報ゲームは、完全情報ゲームと比較して運の要素は多いですが、それでも実際に勝率の高い人は存在します。強いプレイヤーは運任せにせず、できるだけ情報を集め、計算し、確率をわかった上で行動しています。それが、長い目で見れば常勝の結果となるのです。

では営業活動は「完全情報ゲーム」でしょうか?「不完全情報ゲーム」でしょうか?

私は「不完全情報ゲーム」に近いのではないかと思います。顧客の社内事情は見えないものが多いだけに、売れなかったのは運だと言い訳することもできるでしょう。しかし、営業の世界でも成績のいい人は「運」だけではない勝ち方をしています。そして、その違いは「情報」の扱い方にあるのではないかと思います。

現代の営業活動は情報武装しなければ戦えない

世の中の営業関連書籍は大きく2つの方向性があります。1つ目は個人の営業力を高める手法が多く解説されているもの。たとえばトークを長続きさせる方法。お客様と仲良くなるにはどうすればいいのか。いくべき顧客はこう見極める。営業は売るのではなく買っていただくものだ。信頼を得るには挨拶からだ。達成のためには執着心が重要だ、などなど……。営業活動を個人で行うことの多い保険や不動産、自動車の営業には大変参考になるものです。

2つ目は企業の戦略に注目した書籍です。「営業戦略」のタイトルにも関わらず、大半がマーケティングフレームワークの解説が占める書籍もあります。組織営業を実践するにはターゲットを決める必要がある。そのためには市場分析と顧客分析が必要だ。ランチェスター戦略、孫子の兵法、STP、イノベーション理論、パレートの法則などを使って顧客をどのように分類し、営業活動を行うかが重要である……。

これらはどれも間違ってはいません。すべて実行する事で営業力やマーケティング力は上昇しますし、その結果企業の売り上げは向上するでしょう。

だだ営業組織を支える、いわば「売れる環境や仕組み」については情報技術の発達により日進月歩です。例え孫子の兵法を知っていても、ランチェスター戦略を実行しても、笑顔とスーツが最高でも、武器と通信手段が竹ヤリと口頭通信機では令和の時代の戦いに勝てないのです。企業としても営業個々人も、それなりの武器と通信手段を使いこなせなければ、戦略を実行するうえで非常に不利な状況に追い込まれてしまうでしょう。

営業組織を支える「売れる環境や仕組み」。この環境を整える事で、個人の才能や努力、運にできるだけ依存しない情報を活用した営業組織が確立できるのではないでしょうか。

体重計の無いダイエットはありません。ただ、体重計しかなければ、仮にダイエットに成功したように見えても、大量に汗をかいて脱水状態になっているかもしれません。今はもっと便利なものを使って健康的に痩せることができます。フィットビットやApple Watchでは、脈拍や運動時間、睡眠時間まで詳細に計測できます。体脂肪計から送られる体脂肪率と筋肉量、そして食事のデータを組み合わせることで、無理をしない賢いダイエットが可能になります。

現代のダイエットと同じように、営業組織もデータで可視化し、賢い営業活動を実現できたら良いとは思いませんか?

次回は、情報を使い営業が持つ時間の最適化について解説してきます。

公開は10/14(木)を予定しております。

著者:田崎純一郎(たさき じゅんいちろう)

セールスフォース・ドットコム

セールスイネーブルメントシニアディレクター

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第1章 完全版eBookをダウンロード提供中

本連載『営業改革のコンパス~規模に応じたトランスフォーメーションの最適設計~』Vol. 1〜5の記事を第1章としてまとめ、eBookにて完全版として公開しています。ぜひ、下記からダウンロードしてお読みください。

第1章 ダウンロードはこちら

連載記事

<第1章>
Vol. 1 営業改革で解決したい課題は何か - 営業組織の規模と営業改革テーマ

Vol. 2 営業マネジメント50人の壁 ― 営業支援システムの導入率からみる営業組織の課題

Vol. 3 営業組織の規模によって異なる課題感 ― データの収集と活用

Vol. 4 現場が見えなくなる中規模組織

Vol. 5 使いこなせていない51名以上の営業組織は「営業案件の可視化やパイプライン管理ができていない」

<第2章>

Vol.7 営業を“群衆”ではなく“組織”に -情報を使って160時間の使い方を最適化

<関連セミナーご案内>

Salesforceでは、営業改革をサポートするウェブセミナーをご用意しています。あらゆる企業規模・業界において営業マネージャーの方々がどのようにSalesforceを活用すべきかをご紹介します。ぜひご活用ください。

2021.10.07

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