連載:『営業改革のコンパス~規模に応じたトランスフォーメーションの最適設計~』vol.7

2021.10.14

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営業を“群衆”ではなく“組織”に -情報を使って160時間の使い方を最適化

元来営業活動は情報戦ですが、現代の営業活動はITを使った高度な情報戦に変化しつつあります。21世紀において、機械やロボットの無い製造革命はありえないのと同じように、ITの無い営業改革もありえません。ただ営業改革とは単に新しい営業プロセスや営業支援ツールを導入することではありません。顧客が変化したいま、顧客中心の発想に立って従来の営業活動を見直し、情報に基づいて営業担当者が行動できる「環境」や「仕組み」を整えることです。

企業の営業力は、営業個々人の能力だけなく、企業としてその営業組織に与えている製品や組織構成、文化にも左右されます。企業ブランド、企業文化、製品やサービス自体が持つ競争力、営業戦略、組織構成、業務範囲、給与のインセンティブ設計、経費の予算、提供しているPCやスマートフォンのスペック、座席の配置など、そのすべてが企業の営業力を決める要因になりうるのです。

営業改革によって営業組織を取り巻く環境や仕組みを変える場合、その新たな環境や仕組みは社内の都合が優先されたものではなく、顧客のためのものでなければなりません。社内の業務手続きも、顧客のために連携がとれるような新たな仕組みにつくり替えていく必要があります。

しかし、この改革には少なからず懐疑的な見方をする社員も存在します。場合によっては、古き良き昭和の営業スタイルに固執し、あからさまな抵抗を行う社員でも出てくるでしょう。「そんな改革は時期尚早だ」「ここまでできなければやる意味がない」「これまでやれてきていたのに、なぜ変える必要があるのだ」など、先延ばしにする抵抗はさまざまです。営業改革プロジェクトを進める上で、プロジェクトメンバーはこのような抵抗勢力と対話をし、理解を求め、時には戦わなければいけません。

そのような時には、何事も原理原則に戻ることが重要です。自社の営業とは何のために存在するのか、企業ビジョンを実践するためにどうあるべきか。その認識が曖昧だと、現状維持派に付け込む隙を与えてしまいます。改革の推進者であるならば、ビジョンや原理原則を社内の誰にでもわかるように話せなければなりません。

では、そもそも企業において営業の役割や求められていることはなんでしょうか。それは、会社の代表として顧客と接し、さまざまな手段を使って顧客の購買の支援を行い、顧客と自社に利益をもたらすことです。別にとりたてて特別なことは何もありません。

しかし、どのような企業であっても、ヒト、モノ、カネに加え、時間・情報など資源に制約があります。その中で正確な売上予測を行い、それに基づいた投資と人材教育を行わなければ、利益や結果は運任せとなり、安定した会社経営は望めません。正確な売上予測を行うには、営業担当者がどこに行くのか、どの条件を優先的に追うのかなど、一定のルールに基づいた営業活動を行い「資源の浪費」を防ぐ必要があります。

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ここでいう資源とは営業一人一人がもつ「時間」のことです。営業担当者が活動できる時間は1日8時間、1カ月で20営業日とすると、月に160時間しかありません。営業担当者やマネージャーは限られた情報を手掛かりに、限られた時間をどの顧客や案件に振り向けるのか判断をしなければなりません。

また、個人の能力には通常凸凹があります。なんでもできるスーパーマンはほとんどいません。よって、それぞれの得意・不得意を見極めて、互いに補完し合える体制にしていくことも大切です。企業は営業担当者の属人的スキルに頼り、良くも悪くも個人の努力や運任せの状態を放置したままでは、「営業“組織”」ではなく、「営業の“集団”」か「営業の“群衆”」となってしまいます。営業組織の構成員であれば、どの担当者もある程度のパフォーマンスを出せる環境を作ってこそ規模拡大や成長を遂げられるのです。

様々な制約がある中で、資源の浪費を防ぎ結果を出すためには、営業情報を適切に管理しなければなりません。営業情報を適切に管理することで、資源の浪費を防ぎ、企業の販売能力を大きく高めることが可能になります。

次回は、営業情報を適切に管理した際に、売上が立つために鍵となる顧客に関する情報管理について解説していきます。

公開は11/18(木)を予定しております。

著者:田崎純一郎(たさき じゅんいちろう)

セールスフォース・ドットコム

セールスイネーブルメントシニアディレクター

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第1章 ダウンロードはこちら

連載記事

<第1章>
Vol. 1 営業改革で解決したい課題は何か - 営業組織の規模と営業改革テーマ

Vol. 2 営業マネジメント50人の壁 ― 営業支援システムの導入率からみる営業組織の課題

Vol. 3 営業組織の規模によって異なる課題感 ― データの収集と活用

Vol. 4 現場が見えなくなる中規模組織

Vol. 5 使いこなせていない51名以上の営業組織は「営業案件の可視化やパイプライン管理ができていない」

<第2章>

Vol.6 営業活動は不完全情報ゲーム

<関連セミナーご案内>

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2021.10.14

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