ゼロコピーデータ統合

公開日 : 2025.10.21

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2025 年 10 月 14 日以降、Data Cloud は Data 360 にブランド変更されました。

この記事で学べること

  • ゼロコピーデータ統合の概念と、従来のデータ連携との違い
  • ゼロコピーの2つの方式(クエリフェデレーション/ファイルフェデレーション)と、アクセラレーション・差分更新の使いどころ
  • 接続前に確認しておくデータ型の互換性
  • Snowflake や Google BigQuery といった主要なデータウェアハウスとの連携方法のコンテンツ

はじめに

従来のデータ連携では、企業が持つ様々なシステムに散在するデータを活用するために、ETL (抽出、変換、読み込み)プロセスを通じてデータをコピーし、別の場所に移動させる必要がありました。しかし、この方法は「データのサイロ化」「鮮度の低下(夜間バッチ処理によるタイムラグ)」「コスト(開発・メンテナンス、データ複製に伴うストレージ費用)」といった多くの課題を抱えていました。

Data 360 が提供する「ゼロコピーデータ統合」は、これらの課題を根本的に解決する技術です。データを物理的に移動・複製することなく、データが元々存在する場所(例えば Snowflake や Google BigQuery などのデータウェアハウス)に直接仮想的に接続することで、常に最新のデータをほぼリアルタイムかつ安全に活用することを可能にします。これにより、Data 360 は CRM 内外のあらゆるデータを連携する中核的な役割を担います。

ゼロコピーデータ統合とは

Data 360 のゼロコピーデータ統合は、パートナーデータに直接アクセスできる機能です。データ統合では、ゼロコピーインテグレーションを使用して、データへの安全でほぼリアルタイムのアクセスが提供されます。データは Data 360 にコピーされずに直接照会されます。

ゼロコピーデータ統合が可能なパートナーについてはヘルプページをご確認ください。(Help | Data 360: コネクタとインテグレーション)

データの取り込みとゼロコピーの違い

項目

データの取り込み(バッチ・ストリーミングなど)

ゼロコピーデータ統合

データの扱い方

外部のデータを物理的にコピーして Data 360 内に保存

外部のデータをコピーせず、接続先に置いたまま参照

連携可能なサービス

多様な接続先。Salesforce 製品、クラウドストレージ、Web サイトやモバイルアプリ、MuleSoft を介した外部サービスなど

Snowflake、Google BigQuery、Amazon Redshift、Databricks などのデータ基盤のほか、対応するコネクタが増えています(ベータ版を含む)

※ どちらも「データストリーム」として作成します。Databricks のように両方の方式に対応するコネクタでは、データストリームの作成時に、バッチ(定期的に取り込む)かゼロコピー(コピーせずに参照する)かを選べます。
※ コネクタごとの対応方式は、「
Help | Data 360: コネクタとインテグレーション」の一覧でご確認ください。

ゼロコピーデータ統合での取り込みのメリット

項目

データストリーム (従来の取り込み)

ゼロコピーデータ統合

データの鮮度

定期的なバッチ処理のため、タイムラグが発生しやすい

常に最新のデータにアクセスでき、ほぼリアルタイム

データガバナンス

データが複製されるため、管理が複雑化する可能性あり

データは一元管理され、セキュリティとガバナンスを強化

ゼロコピーデータ統合の2つの方式

ゼロコピーのコネクタには「クエリフェデレーション」と「ファイルフェデレーション」の2種類があり、外部システムのどの層にアクセスするかが異なります。

項目

クエリフェデレーション

ファイルフェデレーション

処理する場所

外部システム(データウェアハウス)側でクエリを実行し、結果を Data 360 が受け取る

Data 360 自身のコンピュートエンジンが、外部ストレージ上のデータファイルに直接アクセスして処理する

外部システムの計算リソース

使う

使わない

アクセラレーション(後述)

選択できる

設定なし(常にライブで照会)

対応する接続先

Amazon Redshift、Databricks、Google BigQuery、Snowflake など

Amazon Redshift、Databricks、Snowflake、Apache Iceberg、AWS Glue Data Catalog など


どちらの方式が使えるかは接続先ごとに異なります。設定前に「Help | Data 360: コネクタとインテグレーション」の一覧から各コネクタのページを開き、対応状況をご確認ください。

アクセラレーション(キャッシュ)とは

既定では、Data 360 はクエリが実行されるたびに外部データへ直接問い合わせます(ライブクエリ)。クエリフェデレーションのコネクタでは、データストリームの作成時に「アクセラレーション」を有効にすると、外部のデータを取得して Data 360 内のデータレイクオブジェクトに一時的に保存(キャッシュ)します。大きなデータセットにアクセスする場合や、データの変更が頻繁な場合に推奨される設定で、キャッシュは任意の頻度で更新できます。作成後にデータストリームを編集して、いつでも有効・無効を切り替えられます。

アクセラレーションを有効にすると、クレジットの消費に次の 2 つの影響があります。

1. キャッシュへの取り込み:外部のデータをキャッシュに取り込む際に、Data Services クレジットの場合は「Batch Data Pipeline(一括処理データパイプライン)」の使用区分でクレジットを消費します。

2. キャッシュへのクエリ:アクセラレーションされたクエリとライブクエリでは、クレジットを消費する使用区分が異なります。Data Services クレジットの場合、キャッシュへのクエリは「Data Queries(データクエリ)」、ライブクエリは「Data Federation or Sharing Rows Accessed(アクセスされたデータ統合または共有行)」として消費します。Flex Credits の場合は、使用区分の名称とレートが異なります(ヘルプの表では「Data 360 Queries(Data 360 クエリ)」など)。

なお、キャッシュしたデータは Data 360 内に保存されるため、データストレージの使用量にも影響します。

差分更新(増分更新)

アクセラレーションを有効にしたデータストリームは、日時項目を持つオブジェクトであれば、最短 15 分ごとに増分更新できます。増分更新の設定は、データストリームを作成した後に「データストリームを編集」から、増分更新の基準となる更新日時の項目と頻度を選びます(頻度が 24 時間以上なら時刻と曜日も指定可能)。増分更新は前回以降に追加・変更されたデータを反映しますが、削除されたデータは反映されません(更新・挿入のみ対応)。データストリームを編集して、増分更新の設定をしない場合、キャッシュは毎回完全更新されます。削除を反映したい場合は「完全更新」を使い、定期的に完全更新を行ってデータソースと同期させてください。

参考:「Help | データフェデレーションにおけるキャッシュまたはアクセラレーション」/「Help | データストリームの設定と更新モード」

データ型の互換性(接続前に確認)

外部ソースのデータ型は Data 360 のデータ型に変換されます。Data 360 でサポートされていないデータ型の列は無視され、データストリーム作成時に「サポートされていないフィールド」タブに表示されます。配列、構造体などのネストされたデータ型は対象外で、1990 年 1 月 1 日より前のタイムスタンプ値もサポートされません。ソースごとの対応表(Snowflake/Google BigQuery/Amazon Redshift/Databricks)は「Help | データフェデレーションにおけるデータ型の互換性」をご確認ください。

なお、Spring '26 以降、新規に作成するデータストリームでは、配列などの複雑なデータ型の列は既存のルールどおり厳密に判定され、「サポートされていないフィールド」として扱われます。以前はこれらの列が例外的にテキスト型として取り込まれることがあり、セグメンテーションなどで問題の原因になっていました。既存のデータストリームの挙動は変わりませんが、新旧のデータストリームで同じ列の扱いが異なる場合があるため、接続前に対応表で列のデータ型をご確認ください。

設定に関するコンテンツ

まとめ

Data 360 のゼロコピーデータ統合は、既存のデータウェアハウスに直接接続し、データを移動・複製することなくほぼリアルタイムで活用します。これにより、従来の ETL が抱えるデータのサイロ化、鮮度低下、コストの課題を解決します。方式(クエリ/ファイル)、アクセラレーションの要否、データ型の互換性の 3 点を接続前に確認しておくと、設定後のトラブルを減らせます。

参考リソース

公開日 : 2025.10.21

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