データモデリングの概要
公開日: 2025.10.21
目次
この記事で学べること
- Data Cloud のデータモデルについての概要
- Customer 360 データモデルの概念
- Customer 360 データモデルを利用するメリット
- データオブジェクトの種類
- データモデリングにおいてのベストプラクティス
- データモデリングの考慮事項
はじめに
異なるデータソースから取り込まれたデータを活用する際には、データを一貫した定義で統合することが不可欠です。この記事ではデータモデルと Customer 360 データモデルに関してご紹介いたします。
Data Cloud のデータモデルについての概要
データモデリングは、複数のデータソースから取得したデータを統合するために、オブジェクト、項目、メタデータ、リレーションシップを設計・作成するプロセスです。これにより、様々なアプリケーションおよびビジネスプロセスで使用されるデータの一貫性を確保し、スムーズに連携できるようになります。
<用語解説>
- データモデル
- データモデルは、データを整理するための「設計図」のようなものです。例えば、お店の商品情報を管理するなら、商品名、価格、在庫数などをどういう形で記録するかを決めます。これにより、データの重複を防ぎ、誰が見ても分かりやすく、効率的に使えるようになります。データベースを作る上で欠かせない土台です。Data Cloud においてのデータモデルは DMO を指しています。(3-2. データオブジェクトの記事も合わせてご確認ください。)
- オブジェクト
- 「取引先」「リード」「商談」などのデータを整理・管理するためのデータの箱(テーブル)です。
- メタデータ
- データそのものではなく、そのデータを説明したり管理したりするための付加情報です。(例:「電話番号」「メールアドレス」「業種」などの個別の項目の定義を指します。)
- リレーションシップ
- 異なる「オブジェクト」に蓄積されたデータ同士を、相互に紐づけることで、データを整理・活用するための仕組みです。
Customer 360 データモデルの概念
Customer 360 データモデルとは、顧客に関するあらゆる情報を一元的に統合し、顧客全体像を把握するために標準で定義されているデータ構造のことです。
「顧客を中心とした情報のハブ」として、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud など、異なる製品に散在する顧客データを統合し、顧客とのあらゆる接点における情報を連携させることで、真の顧客理解を深め、パーソナライズされた体験を提供する基盤となります。
※ユースケースに応じてカスタムでのデータ構造の構築も可能です。

Customer 360 データモデルを利用するメリット
- 標準データモデルを活用
- 標準データモデルを採用することでデータモデルを一から考える必要がなく、導入時間の削減を実現いたします。
- 異なるデータソースを追加する際も、標準データモデルを採用できる場合はデータ統合や整理の作業が簡素化されます。
- GUI の利用で SQL クエリが不要
- あらかじめ Data Cloud 内でデータテーブル間のエンティティが定義されていることにより、複雑な SQL を記述することなく、GUI 上でデータ統合が可能です。
- 中間テーブルがないため管理が容易に
- SQL を使わずデータ統合が可能なため、中間テーブルが乱立されてしまう心配がありません。将来的にデータ量が増えた場合でも安定したパフォーマンスを出すことが可能です。
- 同意情報の管理も統一
- 標準およびカスタムデータモデルを使うことにより、すべての顧客データを顧客軸で紐付けて管理できます。これにより、特定の顧客データを削除する必要がある場合でも確実にデータを削除することが可能となり、顧客からの同意情報に合わせた顧客管理ができます。
<用語解説>
- エンティティ
- 情報の「種類」や「対象」を表す概念であり、データを格納する各種オブジェクトです。( DMO の各オブジェクトを指してます。)
- 中間テーブル
- 多対多の関係性があるテーブルの間に入れるテーブルです。(詳細は3-4. データ間の関連付け:リレーションの定義の記事もご参照ください。)
データモデルオブジェクトの種類
データモデルオブジェクト ( DMO )には 3 つの種類があり、それぞれ下記の違いがあります。
- 標準 DMO
- 一般的なユースケースに基づき用意された Salesforce のデータモデルオブジェクト
- ハイブリッド DMO
- 標準 DMOにカスタム項目を追加して拡張したデータモデルオブジェクト
- カスタム DMO
- ビジネスニーズに合わせて新規で作成するデータモデルオブジェクト
詳細は3-2. データオブジェクトの記事も合わせてご参照してください。

※標準DMO のイメージ図
データモデリングにおけるベストプラクティス
データモデルや項目のカスタマイズを検討する際は、まず標準 DMO の使用を優先して検討することが推奨されます。
標準 DMO を活用するメリット:
- 一部機能は標準 DMO の使用が前提に設計されているため、Data Cloud の機能を最大限に活用できます。
- オブジェクトの関係性が事前に定義されているため、活用までの時間を短縮できます。
- 標準 DMO ベースに構築された AppExchange 製品を使用して Data Cloud の機能をさらに拡張できます。
データモデル設計の考慮事項
データモデルのメリットを最大限に引き出すためには、下記の観点を考慮してデータモデルを構築することが推奨されています。
- メンテナンス性を考慮する
- 設定箇所が少なければ、修正や変更の不可も減るので、あまり複雑にならない設計を心がけましょう。
- データモデルのエンティティ配分を必要最低限に留める
- 類似するコンテキストのデータが存在する場合は、同じエンティティにまとめることを検討します。
- 新たなカスタム DMO を作成するのではなく、既存の DMO に集約し、必要に応じてカスタム項目の追加を検討します。
- 可能な限り、標準 DMO を活用する
- 標準 DMO にない項目がある場合、標準 DMO のカスタム項目を作成して、データの取り込みを行います。
- 一方で、1つの DMO に多くの項目を持たせてしまうと、項目の検索性が悪くなる可能性があるので、その場合は、別の カスタム DMO の作成を検討します。
- データモデルの階層構造を考慮する
- 階層が深くなると、情報検索が複雑になったり、データ量によってはクエリやセグメント化処理のパフォーマンスに影響が出るので、階層は極力少なくすることが推奨されております。
- 各機能で遡れる DMO の階層数には制限があります。詳細はヘルプ記事をご覧ください。
- セグメント条件設定時:Help | コンテナと属性を使用した絞り込み
- 関連属性の有効化時:Help | Data Cloud 有効化での関連属性の選択に関する考慮事項
まとめ
異なるデータソースから取り入れたデータを統合し、パーソナライズされた顧客体験を提供するためにはデータモデルの活用が不可欠です。データモデルの考え方や、Customer 360 データモデルを活用した導入する際のベストプラクティスや考慮事項を事前に把握しておくことが重要です。
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参考リソース
公開日: 2025.10.21
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活用ステップ
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STEP1. はじめに
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STEP2. データ接続
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STEP3. データの準備とモデリング
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STEP4. データの活用