データ変換

公開日 : 2026.10.28

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2025年10月14日以降、Data Cloudは「Data 360」へブランド名が変更されました。

この記事で学べること

  • データ変換の概要
  • データ変換で実現できること
  • データ変換の種類
  • 主なユースケース
  • データ変換の利用による効果
  • 運用上の考慮事項

はじめに

本記事は、Data 360 にデータを取り込み始めた方、これから Data 360 を利用する初心者ユーザー向けに解説します。DLO(データレイクオブジェクト)や DMO(データモデルオブジェクト)など、Data 360 の基本用語は Data 360 用語集をご利用ください。


Data 360 には、CRM やクラウドストレージ、Web・モバイルなど、さまざまなシステムのデータを取り込みます。ただし、取り込んだデータは、そのままでは Data 360 で使いにくいことがあります。Data 360 には、Salesforce が一般的なユースケースをもとに設計した標準データモデルオブジェクトがあり、取り込み元のデータの形式が、このモデルのマッピングに合わない場合があるためです。(参考記事:「データモデリングの概要」/「マッピング」)


こうしたデータの形の違いを整理・加工し、Data 360 内で活用しやすくする機能が「データ変換」です。

本記事では、データ変換の基本概要をはじめ、代表的なユースケース、運用時のポイントについて解説します。

データ変換の概要

データ変換とは、Data 360 に格納されたデータ(DLO や DMO)に対して、結合・分割・集計・項目追加などの加工を行い、新しいオブジェクトとして出力したり、既存オブジェクトのデータを更新したりする機能です。

主な活用イメージは以下の 5 つです。

活用イメージ

内容

結合する

複数のオブジェクトを 1 つに統合

分割する

項目の値に応じて複数のオブジェクトへ振り分け

新しい項目を作る

既存項目をもとに新しい項目を生成(複数データの掛け合わせも可能)。作成済みのAIモデルの予測結果(例:購買の可能性を示すスコア)を、新しい項目として追加することもできます。(参考リンク)

集計する

グループ単位でのデータ集計

更新する

既存オブジェクトのデータを更新

これらのデータ加工を、外部システムに依存せず Data 360 内で完結できる点が大きな特徴です。

データ変換の種類

項目

バッチデータ変換(一括処理データ変換)

ストリーミングデータ変換

概要

定期的なスケジュールや特定のトリガーに基づき、大量のデータを一括で変換・加工する機能です。

データソース側の変更を検知し、ストリーミングプロセスとして連続的に実行されることで、新規または変更されたデータを変換・加工する機能です。

定義方法 / ツール

ノーコードでの直感的な開発: GUI形式の「ビジュアルビルダー」を使用し、プレビューを確認しながら設定可能です。

SQLによる定義: SQLクエリを直接記述し、データ変換ルールを定義します。

主な処理・特徴

  • 高度で複雑なデータ加工: 以下のような処理に対応しています。
  • 即時性の高いデータ整形: データが Data 360 に登録・更新されたタイミングで処理が自動実行されるため、即時性を要する顧客アクションへの即時対応に最適です。
  • 取り込み直後の前処理: 単一のデータストリームに対する処理(不要な項目のフィルタリング、データの分割、文字列の表記の統一など)を高速で処理します。

起動タイミング

手動での実行、時間や曜日を指定したスケジュール実行、および Salesforce フロー(Flow)による起動に対応しています。

データソース側の変更を検知し、連続的に実行します。

主なユースケース

  • 複数 DLO / DMO の分割
    • 背景・課題:注文情報が含まれるデータストリーム(Customer Purchase DMO)には、顧客情報(プロファイル)と購買情報(エンゲージメント)データが含まれています。 Salesforce で用意している一般的なユースケースに基づき設計された標準データモデルオブジェクトのIndividual DLO/DMOと Product Order DLO/DMOへデータを分割する必要があります。(参考リンク)

  • データ変換の活用例:注文データのように、顧客情報(プロファイル)と購買情報(エンゲージメント)が 1 つのデータに混在していると、そのままでは正しくモデル化してマッピングできません。そのため、目的別の DLO / DMO へ分割してマッピングします。具体的には、同じ元の DLO を読み取るデータ変換を複数作り、顧客情報用の DLO(Individual DMO にマッピング)と、購買情報用の DLO(エンゲージメント用の DMO にマッピング)へ、それぞれ書き出します。
  • データの正規化
    • 定義:1 行にまとまったデータを、役割ごとの複数のデータに分けて整理することを、本記事では正規化と呼びます。
    • 背景・課題:1 人のお客様情報が 1 行にまとまっていて、メールアドレスが「自宅用 ( Home Email Id ) 」「仕事用 ( Work Email Id ) 」と電話番号が「自宅用 ( Home Phone No ) 」「仕事用 ( Work Phone No) 」の 2 つの列に並んでいるデータがあります。複数のメールアドレス、電話番号が取り込み元のデータソースの列で並んでいる場合、Data 360 の標準データモデルのIndividual DMO にマッピングできるメールアドレスと電話番号は 1 つだけなので、そのまま取り込むと 2 つ目以降のメールアドレスと電話番号のマッピングができません。(参考リンク)
    • データ変換の活用例:1 行にまとまっているデータを「顧客情報 ( Customer )」「メールアドレス ( Contact Point Email )」「電話番号 ( Contact Point Phone )」の 3 つのデータに分け、それぞれ Individual DMO、Contact Point Email DMO、Contact Point Phone DMO にマッピングできる形に変換します。



      分けたデータ 1 件ごとに一意のキーが必要なため、例えば顧客 ID「100000100」 と電話番号「13175551235」を連結したキーをCP_Phone_Id「100000100_13175551235」として作成し、 Data 360 でユニークな顧客の連絡先情報として管理・活用できます。

データ変換の利用による効果

データ変換を活用することで、主に次のような利点が得られます。

① データ活用の幅が広がる

Data 360 へ取り込んだ生データのままでは難しい「複数データソースの突き合わせ」「AI モデル学習用テーブルの構築」「ID 解決前のデータ前処理」など、より高度なデータ活用を実現できます。また、Data 360 内外の活用に向けた前処理が効率化する観点で、Data 360 上での用途(分析・セグメント・AI 活用など)に合わせたデータ整形を、外部ツールやデータベース側に再度戻すことなく Data 360 内で柔軟に実施できます。データ連携のやり直しや加工手順の複雑化を防ぎ、データ活用の準備にかかる運用負荷を軽減できます。

② 非エンジニアでも扱える

バッチデータ変換は GUI のビジュアルビルダーで設定可能なため、SQL の知識がなくても直感的な操作でデータ加工の構築ができます。

運用上の考慮事項

Data 360 でデータ変換を効率的に設計・運用するためには、導入前に以下の具体策を検討・実行することが重要です。

検討項目

内容

処理タイプ(バッチ / ストリーミング)の最適な選択

ストリーミングデータ変換は即時性に優れていますが、処理内容や要件に合わせてバッチ処理と使い分けることで、効率的な運用が可能です。即時性が必須ではないデータ加工はバッチデータ変換を選択することを推奨します。

実行スケジュールの最適化

バッチ処理の実行頻度が過剰になるとシステム負荷やコストにつながるため、業務要件に合わせた適切な頻度(日次、週次など)に設定します。

処理データ量の削減(フィルタリング・差分処理)

取り込み段階で不要なデータをフィルタリングしたり、必要な差分データのみを対象に変換処理を行ったりすることで、処理対象のデータ量を最適化します。

検証環境(Sandbox)でのテスト設計

本番環境への影響を防ぐため、Sandbox 環境で事前に変換ロジックやデータ構造のテストを実施し、検証を行うことを推奨します。

消費カードの確認とモニタリング

・データ変換の消費については、こちらのヘルプ記事を参照し、お客様ごとのライセンスやご利用の製品で表示される消費カードの利用状況についての詳細を確認してください。(例:Flex Credits を契約している場合、バッチデータ変換は「Data 360 Prep」、ストリーミングデータ変換は「Data 360 Streaming Pipeline」の使用タイプで消費されます。)

・バッチデータ変換は、ストリーミングデータ変換より少ないクレジットで利用できます。クレジットは、読み込んだ行数と書き込んだ行数の多いほうで計算されます。

・データ変換の実際の利用状況についてデジタルウォレットを利用して、ご確認いただけます。

まとめ

  • Data 360 に取り込んだデータを加工・整理し、活用しやすい形式に整える機能です。
  • バッチとストリーミングの 2 種類を要件に応じて使い分けます。
  • 結合・分割・集計・正規化・AI 予測など多様な処理を外部ツールなしで Data 360 内に完結可能です。
  • 導入前に、データ変換でクレジットがどのように消費されるかをヘルプページで確認し、利用状況をデジタルウォレットでモニタリングしましょう。

学習ツール

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参考リソース

公開日 : 2026.10.28

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